CPUクーラーの自作は可能?基礎的な方法を解説

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PCの冷却パーツの中で最も重要な位置づけにあるCPUクーラー。CPUクーラーはCPUのみならず、マザーボードを含むシステム全体の冷却を果たすため、とても大切なパーツです。

このCPUクーラーを自作する人がいることをご存じでしょうか。今回は私の経験も交えながら、CPUクーラーの自作について紹介します。

CPUクーラーの自作は可能なのか?

結論からいうと、CPUクーラーの自作は「DIYの技術がしっかりある」という条件をクリアできれば可能です。

CPUクーラーはご存じのように金属製のフィンを結集してヒートシンクを作り、金属板を使ってCPUから熱を吸い上げることで冷却しています。

ヒートシンク部分さえ製作できれば、ファンについては既製品でどうにでもなりますから、実際にはヒートシンクの自作と言ったほうが正しいかもしれません。

このヒートシンクの自作には金属加工DIYの技術が必要です。

CPUクーラー、ヒートシンク自作の基礎的な工程

早速製作方法を解説しますね。CPUクーラーの自作工程は以下のとおりです。

  1. 銅製の板と棒をホームセンターなどで購入
  2. 銅製の板は0.2mm程度、棒は幅5~8mmのものを使用
  3. 銅製の板を任意のサイズで15~20枚ほど切り出す(長方形)
  4. 銅製の棒を切り出した板の幅にあわせて切り出す
  5. 板と棒を交互にくっつけていき、半田づけのロウなどで固定、万力などで締め上げてさらに固める。(ヒートシンクのフィン部分)
  6. 銅製の板をCPUの面積に合うように切り出し、フィンの底面部分に貼り付ける

これで簡易的なヒートシンクが完成します。金属加工ばかりなのでDIYに慣れていない方は結構きついですね。

特に切り出した板と棒を接着していく工程では、半田付けや万力など普段使わない道具が出てきますので、完全に上級者向けです。

あとはCPUに接着する部分を十分に研磨して可能な限り平らにしておくことも重要。こう考えると非常に手間がかかりますね。

個人的には失敗の経験のみ

実はこの方法、Web上でペンティアム3時代に行われたノウハウであり、個人の方が公開しています。

私も15年ほどまえに試したことがあるのですが、CPUに接地する部分がどうしても平らにならず、熱がうまく伝わっていないようでした。

それでも何とか強引に使ってみましたが、リテールのCPUクーラーよりも冷えないという事態に陥り、3日ほどかけて作った割には報われない結果になってしまったのです。

普段何気なく使っていたCPUクーラーがここまで高い工作精度を必要とするものだと知って、驚きましたね。

正直に言うと、銅の板で簡単に作れるものだと思っていましたし。金属を均等に切り出し、水平になるように研磨するというのがいかに大変かがわかりました。

CPUクーラーは大きさよりも工作精度が重要

ただし、個人的にCPUクーラーを自作してみて良かったこともあります。

それは、CPUクーラーの能力は大きさだけではなく工作精度でも左右されることが理解できたという点です。

特に大型のサイドフロー型の場合、ヒートシンクのフィンが雑に作られていると共振が発生したり、うまく冷えなかったりとデメリットが大きいですからね。

有名メーカーのヒートシンクは、どれも造りがしっかりしていますし、経年劣化も小さいように思います。

またヒートパイプや接地面の銅板も無難な造りになっていることが多いので、やはり有名メーカーのCPUクーラーは信頼性が高いと思いますね。ぜひ参考にしてみてください。