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ゲーミングPCの分野には頻繁に新しい技術が登場します。しかし、一時的に話題になるものの消えていく技術が結構あるんですよね。
そこで今回は「かなり騒がれたけどあれからどうなった?」という技術をいくつか紹介します。
忘れられた技術その1:KBL-G
ここ5年程で最も私が期待した技術が「KBL-G(kaby lake G)」でしたね。
IntelのCPU技術(kaby lake)とAMDのGPU技術が合体したこの技術は、CPUとGPUを統合するという意味でまったく新しい試みでした。
その性能も十分で、内蔵GPUは当然のこと、APUもはるかに超える小型高性能なCPU+GPUユニットとして、とても実用的なものでした。
Intel第7世代CPUの性能とGTX 1060に匹敵するGPU性能を、超小型のチップにまとめたものでしたから、そのまま進化すればミニPCの歴史を変える存在だったことは間違いありません。
しかし、これだけ素晴らしい技術だったにも関わらず2020年を最後に開発は終了した模様。
PCメーカーでの採用が進まなかったことで需要がのびず、自然消滅に近い形のようですね。非常に残念です。
IntelとAMDの歴史的なタッグということで期待したのですが、どうやらIntel側は独自に内蔵GPU開発に着手したため、そちらに注力するようです。
忘れられた技術その2:3D Xpoint
3D Xpointとは、IntelとMicron Technologyが共同開発した次世代のメモリ・ストレージ技術の総称です。
不揮発性メモリを対象に開発された技術で、2層の立体構造を活用して半導体の集積率を上げ、読み書き速度も向上させています。
従来のNAND型メモリと比べると、1bit単位でリードライトが可能だったり、リードライトが高速だったり、耐久性が高かったりと非常に高性能なことから期待されていました。
具体的にはIntel謹製のM.2 SSD「Optaneシリーズ」に搭載されていたのですが、非常に高価なことがネックで事業的には低迷。
赤字続きで運営されていましたが、2022年7月、正式に撤退が決まったようです。メモリ・ストレージ技術としてかなり有望だったのですが、コスト高を最後まで解消しきれなかった形になりましたね。
忘れられた技術その3:ペルチェ素子
冷却関連の有望株として、2000年代後半から数年間騒がれたのが「ペルチェ素子」です。
ペルチェ素子は、電気を流すと熱移動が発生するという変わった素材で、昔の冷蔵庫などに使用されていました。
この特性を活用し、CPUクーラーやGPUクーラーなどの冷却ソリューションとして使われた時代もあったのです。
水冷・空冷のどちらにも属さず、スペースをとらず、冷却能力は折り紙つきだったのですが、こちらもコスト面で折り合いがつかずPC関連パーツからほとんど消えてしまいました。
また、結局のところ発熱面の熱処理が必要で、厳密には冷却というよりも発熱ポイントを変えているだけという指摘もあり、意外と手間がかかる素材だったことも原因でしょうね。
ちなみに最近では「首だけを冷やすクーラー」のように夏の暑さ対策商品の素材として復活を遂げているようですね。
「高機能=流行る」ではない
今回の内容を見てもわかるように、忘れられた技術の多くは「高機能」で「革新的」なものばかり。
技術が流行るかどうかは機能の高低よりも、需要の多さや受け入れられやすい価格か、使いやすいかなどで決まるようです。
ただし、製品化までは漕ぎつけられることが多いので、もし気になった技術があれば早めに確保しておくことが大切かもしれません。