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現在、PCモニターといえば横長のデザインが一般的です。しかし、かつてのPCモニターは正方形に近い形をしていました。
では、なぜ横長が主流になったのでしょうか?今回は、PCモニターの形状の変遷とその理由について解説します。
もともとPCモニターは正方形だった
かつてのPCモニターは、現在のような横長ではなく、正方形に近い形状をしていました。
これは、かつてのブラウン管(CRT)技術による制約が大きく影響しています。
正方形だった理由
初期のPCモニターは、ブラウン管ディスプレイを採用していました。
ブラウン管は円形の画面を映し出す構造をしており、その円の中にできるだけ広い範囲を表示するため、ほぼ正方形の形状が最適でした。
また、当時のコンピューターは主に文字ベースでの操作が中心であり、縦横のバランスが取れた正方形に近い画面でも十分に実用的だったのです。
横長が主流になった時期と理由
横長のPCモニターが主流になり始めたのは、2000年代中盤から後半にかけてです。背景には、以下のような理由があります。
液晶ディスプレイの普及
液晶(LCD)技術の発展により、モニターの形状を自由に設計できるようになりました。従来のブラウン管の制約にとらわれず、横長のデザインが採用しやすくなったのです。
映画や映像コンテンツの横長化
テレビや映画の画面比率(アスペクト比)が横長になり、それに合わせる形でPCモニターもワイド化しました。
16:9のアスペクト比が標準化され、動画視聴やマルチメディア用途に適した設計になったのです。
作業効率の向上
ワイド画面のほうが、一度に多くの情報を表示できるため、作業効率が向上します。特に、複数のウィンドウを並べて表示する作業では、横長のほうが圧倒的に便利です。
横長になったことで何が変わった?
横長のモニターが普及したことで、PCの使い方も大きく変化しました。
メリット
作業領域の拡大
複数のアプリを同時に開き、並べて作業できるため、マルチタスクがしやすくなりました。特に、エクセルや動画編集、プログラミングなどの用途では、ワイド画面の利便性が高いです。
映像コンテンツとの親和性向上
映画やYouTubeの動画は横長のフォーマットが主流であり、フルスクリーンでの視聴が快適になりました。
ゲームの没入感アップ
多くのPCゲームが横長の画面に最適化されており、視野が広がることでより臨場感のあるプレイが可能になりました。
デメリット
縦の情報量が減少
横長になることで、縦方向の表示領域が狭くなり、一度に表示できる文章やデータの量が減りました。特に、縦スクロールが多い作業(ウェブブラウジングやドキュメント閲覧)では、縦の解像度が求められる場面もあります。
一部のソフトウェアが最適化されていない
古いアプリケーションや特定の業務用ソフトは、正方形や4:3の画面を前提に設計されているため、横長のモニターでは使いにくい場合があります。
デスクスペースの確保が必要
ワイドモニターは横幅が大きくなるため、設置スペースを確保しなければなりません。特に、デスクが狭い環境では大きなモニターが置きづらいこともあります。
今でもPCモニターは横長が正解なのか
現在、横長のモニターが主流であることは間違いありませんが、必ずしもすべての用途で最適とは限りません。
近年は、ウルトラワイドモニター(21:9や32:9)や縦型モニターも増えてきています。
特に、縦スクロールの多い作業(プログラミングやウェブサイト制作)では、縦長のモニターを活用するケースもあります。
また、クリエイター向けの作業では、デュアルモニター環境を構築し、用途に応じて横長・縦長を組み合わせるスタイルも一般的です。
用途に応じたモニター選びが重要であり、一概に「横長が正解」とは言い切れません。ただし、ゲームでは間違いなく横長が最適ですね。人間の視野に近いので、没入感は正方形よりも圧倒的に上です。
まとめ
PCモニターは、もともとブラウン管の制約から正方形に近い形状でしたが、2000年代に液晶ディスプレイが普及したことで、横長が主流になりました。
映像コンテンツとの親和性や作業効率の向上といったメリットがある一方で、縦の情報量が減るなどのデメリットも存在します。
現在では、用途によってウルトラワイドモニターや縦型モニターなどの選択肢も広がっており、必ずしも横長が「正解」とは限りません。
自分の作業環境に合ったモニターを選ぶことが、快適なPCライフを実現する鍵となるでしょう。