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2022年に約19年ぶりに更新されたATX電源の規格「ATX3.0」。それ以前のATX2.0から多方面で進化し、2025年現在は主流の電源となっています。
しかし現在は「ATX3.1」の時代へと突入。ATX2.0→3.0のときほどの変化はないものの、順当に進化しているようです。
今回は、電源の新規格「ATX3.1」の特徴について解説します。
ATX3.1とは?3.0との違い
ATX 3.1は、PCの電源規格であるATX(Advanced Technology eXtended)の最新バージョンです。
2024年に正式に発表され、従来のATX 3.0を改良した仕様となっています。
機能的に真新しいものはないのですが、全体的に電力供給が安定化されたり、コネクタの耐久性が上がっているとのこと。
具体的には下記のようなアップグレードが為されています。
ATX 3.0との主な違い
電力供給の最適化
ATX 3.1では、最新のGPUやCPUが求める電力の変動に対して、よりスムーズな供給が可能になっています。特に、高負荷時に発生する急激な電力要求(スパイク)への耐性が強化されています。
12VHPWRコネクタの改善
ATX3.1の目玉はおそらくこれでしょうね。ATX3.0で導入された12VHPWRコネクタ(PCIe 5.0対応電源コネクタ)は、グラボへの潤沢な電力供給を可能にしました。
しかし、ご存じのように12VHPWRコネクタには「発熱による発火や融解」のリスクが指摘されていました。
特にRTXシリーズの上位モデル(RTX4090や5090)でこの事象が報告され、「コネクタが曲がっている」「高負荷状態が続く」などの状態で起こっていたとのこと。
ただしこれはグラボ側のコネクタに原因があったようで、電源側の12VHPWRコネクタ(ケーブル?)ではないようですが…。
いずれにせよ、ATX 3.1ではさらに安全性と耐久性が向上しています。接続不良や過電流による発火や溶解のリスクはだいぶ軽減されたと見てよいでしょう。
低消費電力時の効率向上
ATX 3.1では、アイドル時(低負荷時)における電力消費が最適化されており、より省エネルギーな設計になっています。PCの待機時の消費電力が削減され、電気代の節約にもつながりますね。
規格の互換性維持
ATX 3.1は、基本的にATX 3.0と下位互換性を持っていて、既存のATX 3.0対応電源ユニットとマザーボードでも使用可能です。
ただし、新しい機能をフルに活用するには、ATX 3.1対応の電源ユニットが推奨されます。
ATX3.1対応電源のおすすめは?
ATX3.1対応電源は2023年ころから徐々に市場に出回っています。
価格はまちまちですが、安いものなら750Wで15000円ほどなので、良心的ですよね。
ハイエンド向けなら、Corsairの「RM1000e 2025 Cybenetics Gold ATX3.1 CP-9020297-JP」あたりが良いかもしれません。
容量1000WでCybenetics Gold対応なので、80PLUS認証以上に厳しいチェックを通過しています。
安価なモデルならば、MSIの「MAG A750GL PCIE5」あたりが良いでしょう。14000円で750W、80PLUS Goldですからコスパは高いです。
ATX3.1は比較的安定した規格だと思うので、どれを買っても大きく外れることはないでしょう。もし電源の更新時期が近いなら、ATX3.1に絞って探してみてください。