決して小型ではないマイクロATXのメリットとは

かつて自作PCの世界にはマイクロATX全盛とも呼べる時代がありました。ATXよりも小さく、使い勝手が良いということがその理由だったのですが、今はかなり事情が異なります。

ITX、mini-ITXなどの普及で、本当の意味で「小型高性能化」が進んだからです。そこで、マイクロATXのメリットって何だろう…?と今更ながら、マイクロATXを振り返ってみます。

マイクロATXのメリットとデメリット

マイクロATXのメリットとデメリットを簡単に整理すると次のようになります。

メリット

ATXよりも6センチ小さい

ATXは「305mm×244mm」、MATXは「244mm×244mm」で高さが6センチほど小さいために、ケース自体を小さくでき、省スペース化が進みます。

色んな意味でジャストサイズ

市販されている自作用ケースの大半はマイクロATXに対応しています。また、大きすぎず、かといって小さすぎず、機能面やスロットでも十分という丁度良さがメリットです。

安い

ハイコスパモデルの大半がマイクロATXです。コスパを求めるならマイクロATXと言ってもよいでしょう。ただし、年々選択肢は減っている印象です…

デメリット

実は小型化しにくい

「マイクロ」という名称から小ささを連想するものの、すでにマイクロATXは小型ではありません。ATXを採用した場合に比べて、実はケースの選択肢に大差がなく、小型化には向かないパーツです。

拡張性があまりない

ATXから各種スロットを減らしたものが多く、拡張性は必要最低限です。ケース内に余裕ができるのは良い事ですが、現在はストレージがSSDやM.2 SSDで超省スペースになっているため、ケース内の余分な空間が純粋な無駄になることも。

ハイエンドモデルが出にくい

最近のハイエンドマザーボードはATXとITXに集中する傾向にあり、マイクロATXはロー~ミドルレンジが多くなっています。

このように「丁度良い」「安い」というメリットがある一方で、徐々に人気が落ちている側面も見られるのがマイクロATXの現状だといえるでしょう。

とあるマザーボードメーカーによれば「マイクロATXはあまり売れない」とのことで、各社ともに力を入れていないのかもしれません。

それでもマイクロATXを選ぶ理由

このように、どちらかといえばデメリットのほうが大きくなってきたマイクロATXですが、私自身はまだまだお世話になる予定です。

なぜなら、やはり「コスパ」が抜群に良いからです。全てをコスパで語るのは愚かかもしれませんが、やはり「安くて性能が良いPC」を入手できたときの満足感は格別です。

いわゆる「所有欲」も満たせますし、お財布にも優しい。また、AMDの新チップセット「B550シリーズ」では、マイクロATXのラインナップが充実しているのも大きな理由のひとつですね。

B550は今後2年~3年ほどの間、ゲーミングPCのベストバイになる可能性が高いプラットフォームです。

さらにもうひとつ理由を挙げるならば、「信頼できるBTOメーカーが未だにマイクロATXを採用している」という事実があります。

マイクロATXはパーツとしての人気は下落しているものの、長年培ったノウハウを各メーカーが保有しているため、安定性の高いものが多いのです。

必要十分な性能を持ったコスパモデルの大半は、マイクロATXですからね。大手のBTOメーカーもまだまだマイクロATXを使い続けるでしょう。

このように自作用のパーツとして考えると実に微妙なポジションなマイクロATXですが、「安くて良いもの」を手に入れる手段としては、まだまだ現役です。