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CPUといえばPCの中で最も高熱を発するパーツであり、冷却対策なしでは満足に動かないのが常識でしたよね。
しかし、この常識を覆すCPUが登場するかもしれません。それがAMDの次世代APU「Ryzen 4000シリーズ」です。
剥き身のままCRYSISを実行可能
AMDの次世代APU「Ryzen 4000 ‘Renoir’」では、4コア4スレッドのモデルにおいて、冷却システムを必要としない稼働が証明されています。
人気3DゲームのCRYSISを、まさに「剥き身」のまま実行しているのです。当然CPUクーラーは乗っていません。
時間は10分間と短いのですが、CPUは3D処理を実行すると数十秒で稼働不能なほどの高温に達するため、10分でも脅威であることに違いはありません。
詳しい結果については、海外サイトで紹介されています。
参照:WCCFTECH
https://wccftech.com/amd-ryzen-4000-renoir-apu-runs-crysis-without-cpu-cooling-solution/
どうやら、温度制限をかけるツール(Renoir Mobile Tuning)を使用して稼働させているようなのですが、驚くべきは赤外線のサーマルイメージです。
サーマルイメージは、赤に近いほど高温であることを表しています。Ryzen 4000 ‘Renoir’では、稼働中もわずかにCPUダイの周りが発熱しているだけであることがわかります。
ただし、温度制限ツールの影響からか、パフォーマンスは制限されているようです。通常の冷却を施したものよりもシングル・マルチスコア共に落ちるようですね。
ちなみにAPUですから描画処理も担当しているのですが、それでも冷却なしでCRYSISベンチマークを完走しているとのこと。
「CPUはいかに冷やすか」「剥き身のままだと目玉焼きが焼ける」といったイメージを持っていた私にとっては、驚愕の結果です。
冷却なしのAPUで何ができるのか
正直なところ、単純なパフォーマンスだけを見れば、しっかりと冷却をして性能を向上させたほうが得でしょう。
しかし、APUというパーツの特性上「小型化・省スペース化」に対する需要を担っていることを忘れてはいけません。
mini-ITX以下の環境では、CPUクーラーの幅・高さが大きく制限されます。逆に、CPUクーラーさえ搭載しなければ、辞書サイズの万能PCが誕生すると言っても過言ではありません。
現在のAMD製APUはそれだけ優秀なのです。軽めのMMO+ブラウジング+動画視聴程度ならば、APUで問題なくこなせてしまいます。
また、録画専用機(サーバー)としても需要があるでしょう。リビングPCとしても、最適かもしれません。
この性能が、辞書サイズの筐体で実現できるとなれば、私もぜひ欲しいですね。CPUファン不要ですから静音化も容易ですし、「静かで小さく使い勝手の良い」PCが出来上がります。
2020年7月頃に登場が噂される「AMD Ryzen 7 4700G Renoir」(8コア)などは、ファンレス万能型PCの定番になるかもしれませんね。発売が楽しみです。