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ミニPCというカテゴリが知られるようになったのは2019年ころからだったと思います。
それまで省スペースPCというカテゴリが知られていましたが、ミニPCはさらに小さく「手のひらより少し大きい」というサイズ感が売りですよね。
これだけ小さいと、耐久性に不安を感じる方も多いでしょう。私もそのひとりです。そこでミニPCの耐久性について考えてみました。
耐久性は大きさではなく「構造」で決まる
まず、耐久性についてはPC本体の大きさではなく構造のほうが重要です。もっと具体的に言えば「ある程度のスペース」と「重さ」、「工作精度」が耐久性を決定づけます。
一般的にPCパーツは「熱」「湿気」「ホコリ」「振動」のいずれかが故障の原因になります。
なので、この4つのリスクファクターをしっかり管理し、減らせるできる構造かどうかが耐久性を決定するわけです。
普通に考えれば、大型のATXケースやmiroATXケースは、上記いずれに対してもある程度考慮されています。
熱や湿気対策はエアフローの適正化で可能ですし、ホコリについてはフィルターの装着でかなり軽減されます。
また、振動についてはアルミやスチールでできた本体の重量や工作精度などによって対応可能です。これらは大きさがあるほど有利ですが、小型だからと言って実現できないものではありません。
ミニPCクラスは制限が多い
しかし、ミニPCレベルになると4つのリスクファクターに対応するためのリソースが不足していることがほとんどです。
エアフローの適正化にはある程度のスペース(空気をまんべんなく通すため、ファンを設置するため)が必要ですよね。
また、ホコリを除去するためのフィルターも装着しにくいですし、重量は相当軽いわけですから振動のリスクもあります。
ミニPCは容積2L以下が大半であり「12センチ(横)×11センチ(奥行)×5センチ(高さ)」といったサイズが多いです。このサイズ感で4つのリスクに対応するためには、圧倒的にスペースが足りません。
特に熱への対応がかなり難しいですね。ハイスペックな構成を組んだ場合、排熱が追い付かずにサーマルスロットリングが発動し、本来の性能を発揮できない可能性があります。
さらに高熱状態が続くことで故障リスクが増加し、ブルースクリーンやフリーズの症状がでるかもしれません。
実際に私の知人の例を挙げると、「低負荷状態で長時間稼働(Youtube動画を長時間垂れ流し)」や「短時間のゲームプレイ」でも挙動が怪しくなったというものがあります。
ミニPCは5年以上使えるか?
まだ本格的に市場に出回ってから日が浅いので、5年以上となると判断が難しいですね。
軽作業用としてなら使えなくもないと思いますが、ゲーミングPCとなると厳しいかもしれません。CPUやGPUは問題なくても、周辺のパーツやマザーボードのコンデンサが熱で破損しないか不安です。
同じようなリスクを抱えているゲーミングノートPCは、ある程度需要があるので熱処理の問題にも積極的に対応していますが、ミニPCは定かではありませんから。
まだまだ未成熟な分野なので、5年以上の長期でメインマシンにするよりは、サブマシンとして3年程度試しに使ってみる、くらいのほうが安心かもしれないですね。