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熱心なOCer(オーバークロッカー)の間では、マザーボードのOC耐性を上げる工夫が行われています。
そのひとつに「防水加工コーティング」があります。マザーボードにコーティング…?と疑問を感じるかもしれませんが、OCの安定性を高める手法なのです。
マザーボードをコーティングで防水加工する意味
ノートPCならまだしも、デスクトップPC用のマザーボードに防水加工は必要なのか?と疑問を持つ方がいます。水没や飲み物をこぼすといったリスクが極めて低いデスクトップPCで、防水加工は不要と感じるのも無理はありません。
しかし、「一般的な生活防水」としての対策ではなく、「発熱と冷却を繰り返す環境で発生する”結露対策”」と考えるとどうでしょう。CPUやGPUに高負荷をかけると、当然のことながら温度が上昇します。これを冷却するために、OCerは様々な対策を講じるわけです。
例えば、液体窒素を用いた「極冷OC」の場合、CPUやGPUよりも激しい温度差によって生じるマザーボードの水滴や結露が、回路のショートを引き起こします。
つまり、マザーボードの防水加工(コーティング)は、「温度差から生じる水分から守る」ために行われるというわけですね。
マザーボードコーティングの具体的な方法
マザーボードの防水加工(コーティング)で用いられる手法としては、以下の2つがあるようです。
ワセリン添付による防水加工
メリット
刷毛(ハケ)で塗り、ドライヤーで馴染ませるだけで完了するため、手軽である。
デメリット
ホコリやペット毛、その他小さなごみが付着し、ショートを誘発する可能性がある。また、定期的なメンテナンスが欠かせない。
液体ゴムスプレーによる防水加工
メリット
ゴム被膜が漏れなく被うため、確実に水分をブロックでき、ホコリやゴミにも強い。一度対策すれば、長期間使える。
デメリット
PCIスロットやメモリスロット、CPUソケットなどのマスキング(目隠し)に手間がかかる。
一長一短なのですが、総合的に考えると液体ゴムスプレーによるコーティングが吉かもしれませんね。ワセリンは、触るたびにべたつきますし、ゴミやホコリの関係で空冷には向かないでしょう。
液体ゴムスプレーを使う場合は、マスキングテープでスロット・コネクタ部分を覆い隠します。また、チップセット上にヒートシンクがある場合は、取り外した状態でマスキングを行います。
次に、スプレーをぬるま湯で温め、4~5回にわけて均等にスプレーしていきます。その後、2時間~半日ほど放置すれば、コーティング自体は完成です。
基盤を傷つけないようにカッターやピンセットを使いながらマスキングテープをはがし、ヒートシンク類を元に戻しましょう。
マザーボードの防水加工に使えるスプレー
防水加工用の液体ゴムスプレーや絶縁コーティング剤としては、以下のようなものがあります。
- サンハヤト「ハヤコート」
- Performix「プラスディップ」
- サンワサプライ「絶縁被膜コーティング剤 CD-101」
価格は内容量に応じて1000円~2500円程度です。故障リスクを考えれば、決して高くはありませんよね。マスキングテープの貼り付けと除去さえ注意すれば、結構簡単にできてしまいます。
OCだけではなく、夏・冬の結露対策としても有効です。興味があれば、ぜひ検討してみてください。