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ゲーミングPCは大容量の電源ユニットを積むことが多いため、ファンの音が気になりがちです。
そこでセミファンレス電源を導入し、騒音対策にすることがあります。ただし、セミファンレス電源にはデメリットもあります。
セミファンレス電源のメリット
セミファンレス電源のメリットは、何といってもその静かさでしょう。電源温度が一定以下になったり、負荷が軽いときなどはファンが停止するモデルもあります。
ファンが停止するモデルは文字通り「無音」になりますから、静音対策としての効果は抜群です。ただし、「ファンが止まる」ことはデメリットも生み出します
セミファンレス電源のデメリット
セミファンレス電源でファンが停止するモデルは、電源を痛めやすい傾向にあります。電源ユニットは低負荷時でも発熱しているのです。とくに制御部や補助電源部と呼ばれる部分の発熱は、低負荷時でもそれほど変わりません。
つまり、アイドル状態であっても高負荷時と変わらない発熱があるのです。これは、電源自体の寿命とともに、周辺のパーツにも影響を与えるでしょう。
一般的に「空冷」と呼ばれているものは、「強制風冷」と「自然空冷」に分類できます。強制風冷とは、ファンなどを回転させて強制的に風を発生させ、熱を逃がす方式です。一方、自然空冷は「放射」の原理を利用し、熱源から自然に熱を逃がす方式です。
ファンが停止した電源ユニットは「自然空冷」の状態にあるわけですね。しかし自然空冷では、赤外線などの形で逃がした熱が、再度周囲のパーツに取り込まれやすいという特長があります。
したがって、電源だけではなく、GPUやマザーボードなどの温度を上げてしまう可能性があるわけです。
セミファンレス電源は寿命に注意
最近は騒音対策としてセミファンレスをうたうモデルが増えています。しかしファンが完全に停止するモデルよりは、低回転でもファンが回り続けるモデルのほうが安心できそうです。
また、どうしても静音性を重視したいならば「完全なファンレス電源」を購入しても良いでしょう。セミファンレス電源とは違い、ファンがないことを前提に設計されているので、寿命などの問題が出にくいと考えられます。
ちなみにファンレス電源としては、SilverStoneの「SST-NJ520」などがあります。80PLUSプラチナで、変換効率も高いため、品質は問題ないでしょう。ただし520Wで2万円近い価格がついており、やや高めです。
いずれにしても、セミファンレスやファンレス電源を買うときは、長寿命を前面に押し出している製品がよさそうですね。