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マザーボードメーカーといえば、大半の方は海外の有名メーカーを思い浮かべると思います。
実際に私もASUSやMSIなど台湾系の大手メーカーがすぐ浮かびます。しかし、日本でもマザーボードを製造しているメーカーがあることをご存じでしょうか。
今回は、意外と知られていない日本のマザーボードメーカーを紹介します。
複合機の「リコー」がマザーボードを作っていた
結論から述べると、日本でマザーボードを作っているメーカーとは「リコー」です。
正しくは、リコーのグループ会社である「リコーインダストリアルソリューションズ」ですね。
リコーインダストリアルソリューションズは、いわゆる「組み込み系」の危機を製造・販売しています。
現在のラインナップは、
・エッジコンピュータ
・インダストリアルPC
・組み込み機器用のボードコンピュータ
などとなっていますね。実はこの「組み込み機器用のボードコンピュータ」がマザーボードです。
リコーインダストリアルソリューションズは、2000年10月に組み込み機器用ATXマザーボード「FB2」を発売。
同社のFBシリーズは組み込み機器用のマザーボードとしてロングセラーとなり、現在も「FB22-L2S」として販売されています。
FB22-L2SはDDR5メモリや第13世代Coreシリーズへの対応など、ほぼ最新世代のマザーボードと変わらない仕様。
組み込み用、つまり産業機械用のマザーボードなので、最新技術よりも安定性や保守物品の入手性が重視されます。
実際にリコーインダストリアルソリューションズの公式サイトを閲覧すると、発売時期とともに「供給終了予定時期:2029年8月末日予定」「保守終了予定時期:2036年8月末日予定」との記載が。
発売から5年間は新品が供給され、12年間は保守サービスが提供されるという意味ですね。さすが組み込み機器用とあって、製品の寿命がかなり長いです。
FB22-L2Sは普通のPCにも使えるか?
では最も気になる「普通の自作PCやゲーミングPCにも使えるか」という点を見ていきましょう。
まずFB22-L2Sのスペックですが、以下のとおりです。
対応CPU:LGA1700
第12世代および第13世代Coreシリーズ
Core i9-13900E/TE
Core i7-13700E/TE
Core i5-13500E/TE
Core i3-13100E/TE
Pentium Gold G7400E/TE
CeleronR G6900E/TE
メモリ
DDR5 3600/4000/4400対応、(ECCおよびNonECC対応)
チップセット
Intel R680E
こうしてみると、普通のPCに使われるマザーボードと変わらない印象を受けますよね。
しかしよく見てほしいのですが、CPUやチップセットの型番の末尾に「E」が付与されています。
末尾がEの製品は、通常のPC向けとしては販売されていません。消費電力を落とした「組み込み機器用」のパーツに付与されるからです。
ということで、通常のCPUで使用できるかは不明ですね。おそらく問題なく動くと思うのですが、OCなどには対応していないはずなので、不具合が発生した場合は自己責任になりそうです。
組み込み機器用マザーは高い、そして手に入らない
実はリコーのマザーボードは、一部の自作PCマニアがごくまれに使用していました。
産業用マザーボードとして電気街に流れてくることがあったので、私の知人も購入していましたね。
特に尖った機能や面白い機能はありませんが、普通に使う分にはとても良いマザーボードなのだとか。
ただし、安定性や信頼性という意味では非常に優秀ですが、最新の性能でもないわりには高額なので、まさに趣味の世界です。
ちなみに価格ですが、保守サービス込みで計算されることが大半なので、ケースバイケースです。
単体としてならば、おそらく5~10万円の間になるのではないでしょうか。我々一般人が入手できるかはわかりませんが、興味がある方は探してみるのも一興です。