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夏本番が目前にせまると、どうしてもゲーミングPCの冷却が気になるものです。そして冷却と言えば「ファン」ですよね。水冷でも空冷でも、結局はファンの数や質が冷却の肝を握っています。
しかし、いたずらにファンの数を増やしても冷却効率があがるわけではありません。特にケースの前面ファンは「鬼門」になることすらあります。果たしてPCケースの前面ファンは本当に必要なのでしょうか。
かつては必須だったストレージ用前面ファン
ゲーミングPCのストレージとしてHDDが一般的だったころは、PCケースの前面ファンは非常にありがたい存在でした。PCケース内にエアフローを発生させながら、同時にHDDも冷やしてくれる。ケース搭載ファンの中でも、最も重要な役割を担っていたと言えます。「PCケースに前面フィルターは必要?外すとどうなる?」なんて記事も過去に書きました。
しかし、最近はやや事情が異なるように感じます。なぜなら、既にストレージの主流派HDDからSSDに移っており、以前よりもストレージを冷却する意義が薄れているからです。
そもそもSSDはHDDに比べると熱や振動に強く、物理的な故障が発生しにくいというメリットがあります。また、SSDをケース前面付近に配置しないタイプのケースも増えており、「前面ファン=ストレージ冷却」という方程式が崩れてきているのです。
PCケース前面ファンは要る?要らない?
私の個人的な意見を言わせてもらえば、PCケース前面ファンは「必須ではない」と感じています。理由は、前述したようにストレージのSSD化や配置の多様化が進み、直接冷やす必要がなくなったからです。
また、GPUの冷却を重視する場合は、前面吸気よりも底面吸気のほうが有利になることがあります。GPUのファン部分に対し、正面から空気を送り込めますからね。
さらにCPUやGPU、マザーボードまでをカバーして効率的に冷却するなら、側面吸気が威力を発揮します。メニーコア時代に突入し、CPUやマザーボードの冷却が以前より重視されていますから、側面吸気は今後見直される可能性があるでしょう。
以上のことから、もはや「冷却=前面ファン必須」という時代ではないと感じています。
エアフローは「下から上」「前から後ろ」で統一が吉
実はPCケース内のエアフローを分析すると、前面吸気と底面吸気がぶつかった場合、どちらか一方に統一したときよりも冷却効率が落ちるというデータがあります。
全てのケースにこの結果が当てはまるとは限りませんが、やはりエアフローは「下から上」「前から後ろ」のどちらかに統一すべきなのかもしれませんね。「ケースファンはどこに何個搭載すべきか」も参考にしてください。
個人的には、「下から上」+「側面吸気」が好みです。GPUとCPU、マザーボードを十分に冷却でき、システムが安定するからです。今後ゲーミングPCのエアフローを考えるとき、前面ファン無しの構成を吟味してみてはいかがでしょうか。