次世代冷却システムを妄想する「液体窒素 vs. ペルチェ素子」

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ゲーミングPCの性能向上を目指す際、冷却システムは重要な役割を果たします。特に、オーバークロックなどの高負荷な作業を行う場合、冷却システムの性能がPC全体の安定性や寿命に直結します。

今回は、次世代冷却システム「液体窒素冷却」と「ペルチェ素子冷却」の2つを挙げ、そのメリットとデメリットを解説します。

液体窒素冷却システム

液体窒素冷却は、最も極端な冷却方法の一つです。液体窒素は非常に低温(約-196℃)で、瞬時に熱を奪う能力があります。

主にオーバークロックの競技や記録挑戦の際に使用され、短時間で非常に高い効果を発揮します。

液体窒素は液化した窒素ガスで、その低温特性を利用してPCの熱を効率的に除去します。通常は、CPUやGPUに直接接触させて使用するみたいですね。最近はあまり見ませんが…。

液体窒素を扱う際には、専用のクーラーポットを用意し、窒素を注入します。その後、温度センサーを用いて温度を管理しながら、冷却を行います。保護手袋や安全ゴーグルなど、安全装備が必須です。

メリットとデメリット

メリット:極めて低い温度で動作可能、オーバークロックの限界を押し広げる、短時間での大幅な冷却効果
デメリット:高コスト、取り扱いの難しさ、持続的な使用が不可能、液体窒素の補充が必要

液体窒素を使用した冷却では、CPUやGPUの温度を通常の水冷や空冷では達成できないレベルまで下げることが可能です。

例えば、通常の空冷で40℃に保たれるCPUが、液体窒素冷却では-100℃以下に達することがあります。しかしここまで冷やしてしまうとかえって正常に起動しなそうなので、実際には温度の調整が必要でしょうね。

ペルチェ素子冷却システム

ペルチェ素子冷却は、近年注目されている…わけではなくだいぶ昔からある冷却方法です。ペルチェ素子は、電流を流すことで一方の面が冷却され、もう一方の面が加熱される特性を持つ半導体デバイス。

電流を流すと一方の面が冷却され、もう一方が加熱されるため、冷却したい部分に接触させて使用します。

ペルチェ素子をPCの冷却したい部分に取り付け、反対側には放熱用のヒートシンクを取り付け、さらに電力を供給することで冷却が開始されます。

メリットとデメリット

メリット:コンパクトで静音、持続的な冷却が可能、比較的低コスト
デメリット:冷却効果が液体窒素には劣る、ペルチェ素子自体が発熱するため、放熱管理が必要

ペルチェ素子を用いた冷却では、通常の空冷よりも低い温度を維持することが可能です。例えば、CPUの温度を30℃程度に保つことができ、オーバークロックの安定性を向上させる効果があります。

液体窒素に比べると、当たり前ですが冷却能力は落ちます。ただ、空冷よりもしっかり冷えるので、温度範囲的には適合度が高いです。

ただし、素材自体の放熱管理と消費電力の増加が懸念ですね。というか、20年近く前から定期的に話題になる素材なのですが、いい加減しっかり作ってほしいなと…。

現実路線ならペルチェ一択

液体窒素冷却は高コストであり、特に継続的な使用には向いていません。一方、ペルチェ素子冷却は初期コストが低く、維持費も安価です。

また、液体窒素冷却は専門知識と経験が必要で、取り扱いにも注意が必要です。ペルチェ素子冷却は比較的簡単に設置でき、特別な知識がなくても取り扱えます。

安定性もまあペルチェですね。現在は空冷で十分冷えるレベルのCPU/GPUが多いので注目されませんが、これからペルチェの時代がくるかな~と淡い期待を抱いています。

最も、近年はペイパーチャンバーなど新しい冷却の手法もこなれてきたので、ペルチェが主役になるとは限りませんが。個人的には好きな技術なので発展してほしいですね。