AMDの高解像度技術「FidelityFX」とは

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AMDといえば解像度のアップスケーリングを行う「FSR」が有名ですが、実はこのほかにもさまざまな機能があります。

これら画像関連技術の総称がFidelityFXです。今回は、あまり知られていないFidelityFXの機能について全体的に解説したいと思います。

「FidelityFX」とは

「FidelityFX」とは、AMDが2018年頃から開発しているゲームに関する解像度関連の機能群です。

実は次々に新しい機能がリリースされるので、一体何をもって「FidelityFX」なのかが分かりにくいという特徴があります。

AMDは「FidelityFX」を「オープンソースの開発者向けキット」と位置付けていますが、我々消費者が実際に恩恵を受けるのは派生した機能ですからね。

そこで現時点でのFidelityFX関連機能をまとめてみました。

FidelityFX Super Resolution (FSR)

低解像度の画像を高解像度にアップスケーリングすることで、パフォーマンスを向上させつつ、画質を維持または向上させる技術です。

FidelityFX Contrast Adaptive Sharpening (CAS)

画像のシャープネスを向上させることで、視覚的なディテールを強調します。特に、他のアップスケーリング手法と組み合わせて使用することで、画像のぼやけを補正し、クリアな画質を実現します。

FidelityFX Ambient Occlusion (CAO)

環境遮蔽を計算して、ゲーム内の照明と影のリアリズムを向上させる技術です。これにより、シーンの深度感が増し、より没入感のある体験が可能になります。

FidelityFX Screen Space Reflections (SSR)

リアルタイムでの反射を改善して、水やガラスなどの表面のリアリズムを高めます。

FidelityFX Denoiser

レイトレーシングやその他のノイズが発生しやすいエフェクトのノイズを軽減するデノイザー機能です。これにより、画質がクリアになります。

FidelityFX Luminance Preserving Mapper (LPM)

HDRレンダリングをサポートし、色の正確さとコントラストを保ちながら画像のダイナミックレンジを最適化します。

FidelityFX Variable Shading

シェーディングレートを動的に調整し、パフォーマンスを最適化しながら画質を維持します。

このようにFidelityFXは、解像度や画質、パフォーマンスをトータルでチューニングする技術体系と言えます。

私も全部を試したことがあるわけではないのですが、正直なところ何がどのように効いているのか非常に分かりにくいです。

体感しやすいのは「FSR」「CAS」「CAO」

ただし、FSR、CAS、CAOについては環境次第で違いが体感できると思いますね。

FSRについてはフレームレートが上がりますし、CASは明らかに画質が良くなります。またCAOは明暗がくっきりしますので、見た目にもわかりやすいのではないかと。

もちろん、対応しているタイトルでなければ効果はありませんが、FidelityFX自体がオープンソースな技術ですから、グラボがNvidiaであろうがAMDであろうが使える可能性は出てきます。

NvidiaのDLSSのように特定のハードウェアに紐づくわけではないので、実はかなり親切な機能なのです。

英語に抵抗がないなら「GPUOpen」で調べてみよう

これらFidelityFXに関する機能の最新情報は、AMDのGPU関連情報サイト「GPUOpen」で確認できます。

主に開発者向けの情報サイトなのですが、ときどきFidelityFXに関する情報も公開されるので、ぜひチェックしておきましょう。

最近ですと、Unreal Engine 5向けのFidelityFX Super Resolution (FSR)のプラグインが利用可能になったというニュースが出ています。

英語サイトですが、ブラウザの翻訳機能で十分読めるレベルになるので、もし最新情報が気になる方は読み込んでみてください。