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「CPUスッポン問題」などに代表されるように、CPUまわりは非常に繊細な造りをしています。
特にCPUのソケットピンは、CPU側、マザーボード側のどちらであっても、細心の注意を払うべき部分。そして、中級者や上級者でもミスを犯しがちな部分でもあります。
このことが示すように、マザーボードメーカーでは「CPUソケットのピン折れ保証」を提供しています。しかしこのピン折れ保証、あまり使った方を見かけませんよね。
そこで身近な例から、ピン折れ保証の実態を紹介したいと思います。
そもそも「CPUのピン折れ保証」とは?
CPUのピン折れ保証とは、マザーボードメーカーが提供している保証修理サービスのひとつですね。
CPUソケットのピンが折れてしまったことに対して、無償の修理を提供する、というのがその内容。
最近ではASUSが提供を発表していますが、少し前(2022年)にはMSIでもピン折れ無償修理の提供を発表していました。
このピン折れ保障ですが、いわゆる初期保障の期間の中に設定されるようで、たいていは「購入後3か月」が相場です。
ただし、延長保証などで6か月程度まで保証されることも多く、「購入後、組み立て時にミスによってピンを折ってしまった」場合を想定して提供していると思われます。
ピン折れ保証は本当に保証されるのか
実はこのCPUピン折れ保証、10年来の友人のひとりが使ったことがあるそうで、その体験をヒアリングしてみました。
その友人はCPUソケットをよく確認せずに少し斜めの状態で押し込んでしまったらしく、中央部分のピンが一部だけ歪んだそうです。
中央部分なので修正もしづらく、意を決してメーカーのピン折れ保証を使用。メーカーに連絡したところ、「代理店に連絡してくれ」と言われたので、購入代理店へ連絡。
代理店からは「実際にピン折れが発生したマザーボードを送ってほしい」と言われたそうで、着払いで送付したそうです。
その後数日で代理店から連絡があり「修正は可能だが時間がかかりそうなので、代替の再生品と交換する」と告げられ、さらにその数日後に新しいマザーボードが届いたのだとか。
「新品交換」ではなく、「再生品との交換」というところがポイントですね。こういった初期保証の類ではよくあるケースで、修理済みの再生品と交換となります。
届いたマザーボードは見かけ上新品と見分けがつかないほど綺麗で、もちろん動作も正常。最終的には事なきを得たと語っていました。ちなみに交換に要したお金は送料のみだそうです。
ピン折れが出やすいソケットがあるという事実
こうしたピン折れ保証は、どのマザーボードにも付属しているわけではありません。ピンが細く繊細で、折れやすいと判断された場合に提供されるようです。
最近ではソケットAM5のマザーボードですね。ASUSでは6か月の無償修理保証を提供しています。(https://ascii.jp/elem/000/004/196/4196410/#eid3724862)
6か月なので、一度組んで使用しているとすぐに過ぎ去ってしまいますが、「自作に自信がない」という方には適しているでしょう。
自分では修復不可能な部分を保証してもらえるので、実はかなり心強いサービスです。
ちなみに前述の友人は自作歴10年超のベテランでしたが、ピン折れ保証のことはすっかり忘れていて、危うく買いなおしそうになったそうです。
いつだれが遭遇してもおかしくないCPUのピン折れ。初心者だけではなく、無償修理が付属していることを意識して購入したほうが良いですね。