80PLUSのグレードで性能に差は出るのか

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80PLUS認証は、PC電源の品質に対する目安として知られています。今では80PLUS認証を付与されていない電源のほうが少ないですよね。

しかし、実際のところ80PLUS認証のグレードでどの程度の差がでるのかをしっている人は少ないと思います。

そこで80PLUS認証のグレードによる差を調査してみました。

80PLUS認証の差はほぼ体感できない

普通の人は「グレードが高いから故障しにくいのだ」「長持ちするはず」といった具合に、具体的に何かを体験することなく電源を購入します。

15年ほど前までは、電源の品質を実際に体験することができました。一部の海外製品の中には、非常に雑な設計・製造のものがあり、これらは本当にすぐ壊れたからです。

また、規定の電源容量どおりの性能を発揮せず、PCが不安定になることもありました。こうした状況で品質の高い電源を使うと、壊れにくさやPCの安定した動作など「体感できる差」がわかったのです。

ところが、80PLUS認証が一般化した今、どの電源も本当に壊れませんし、PCの挙動が不安定になることも稀です。実際に使用していてもその差を体感することはありませんよね。

そこで、80PLUS認証のグレードによる差がどのような点で現れるのかを調べてみました。

ある調査結果から見える80PLUS認証の差

国内のある調査では、(仮にA電源とする)の中にある80PLUS認証のグレードによる差を以下の点で調査していました。

  • 電圧変化
  • 消費電力
  • 静音性

ちなみに、使用された電源の容量は650Wでいずれも同じ、グレードは「80PLUS Standard」「80PLUS Bronze」「80PLUS Gold」の3つです。

この3グレードについて、上の3つの点で比較すると、次のように差が現れたとのこと。

電圧変化

「80PLUS Standard」「80PLUS Bronze」については、電圧変化に大きな差が見られなかったものの、「80PLUS Bronze」のほうが電圧は安定している。

「80PLUS Gold」については、他の2者に比べると明らかに電圧変化が小さく、特に電圧の低下がかなり抑えられていることがわかった。

消費電力

消費電力については、つぎのように数値で明確な差がでた。

規格 高負荷時 アイドル時
80PLUS Standard 295W 39.5W
80PLUS Bronze 293W 38.1W
80PLUS Gold 287W 32.8W

静音性

静音性については、3つのグレードの間に大きな差は見られず、次のような結果になりました。

規格 高負荷時 アイドル時
80PLUS Standard 38.9db(A) 38.7db(A)
80PLUS Bronze 39db(A) 38.8db(A)
80PLUS Gold 37.8db(A) 37.6db(A)

静音性以外は「上位グレードほど優秀」

このように、80PLUS認証はグレードごとにしっかりと差があることがわかりました。

特に「消費電力」と「電圧(低下しにくさ)」については、80PLUS認証Gold以上が優れているのかもしれませんね。

高負荷状態が続きがちなゲーミングPCの場合、80PLUS認証Gold以上を推奨するケースが多い理由がわかった気がします。

電圧変化が小さければ、パーツに供給される電力が安定し、PCの挙動が安定します。また、消費電力が小さければ、それだけ電気を変換できているということになり、電気代の低減につながるでしょう。

確かに上位グレードは値段が高いのですが、それに見合った価値はありそうですね。私も今後は、必要に応じてGold以上を積極的に狙っていこうと思います。