「世界のIntel」が頻繁にレイオフ(解雇)をする理由とは

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インテル(Intel)は、世界最大級の半導体メーカーとして知られていますが、近年頻繁に大規模なレイオフ(人員削減)を実施していることでも注目されています。

特に2019年以降、業績の変動や市場環境の変化に対応するため、数万人規模の従業員を解雇してきました。なぜ「世界のIntel」と称される企業が、これほどまでに人員削減を繰り返すのか。

本記事では、直近5年間の具体的なレイオフ事例を振り返りながら、その理由と影響を分析していきます。

直近5年におけるIntelのレイオフの歴史

インテル(Intel)は、過去5年間で複数回のレイオフ(人員削減)を実施しています。

2022年のレイオフ

2022年、インテルは全従業員の15%以上にあたる約15,000人のレイオフを発表しました。これは、100億ドルのコスト削減計画の一環として行われました。

2023年のレイオフ

2023年、インテルはオレゴン州で1,300人、アリゾナ州で385人、カリフォルニア州で319人の従業員を解雇する計画を明らかにしました。

2024年のレイオフ

2024年に大規模な人員削減を実施しました。2024年8月、同社は全従業員の15%以上にあたる約15,000人のレイオフを発表しました。

さらに、同年10月には本社で516人の追加削減を行う計画が明らかになりました。

Intelがレイオフを実施する理由

これらのレイオフの背景には、主に以下の要因が考えられます。

PC市場の低迷と需要変動

近年、PC市場は全体的な需要の低下や変動に直面しています。特に、パンデミック後の需要減少や経済状況の変化により、PCの販売台数が減少しました。

これに伴い、インテルは売上の減少に直面し、コスト削減の一環として人員削減を進めています。

技術革新の遅れと競争激化

インテルは、10nmプロセス技術の開発遅延など、技術革新の遅れが指摘されていました。その間に、AMDやTSMCなどの競合他社が市場シェアを拡大し、インテルの競争力が低下しました。

この競争環境の変化に対応するため、組織の再編成や人員削減が行われています。

最も、現在は3nmの「Intel3」や次世代の1.8nmプロセスなどへの投資が成功しつつあり、かなり巻き返してきました。

事業戦略の転換とリソース再配分

インテルは、従来のPC向けプロセッサ事業から、データセンターやAI、IoT(モノのインターネット)などの新興分野へのシフトを図っています。

この戦略転換に伴い、不要となった部門や重複する業務の整理が行われ、人員削減が実施されています。

今後もIntelのレイオフは続くのか?

インテル(Intel)は、Intel 3プロセスの成功や1.8nmプロセスへの積極的な投資を通じて、技術革新を推進しています。これらは同社の競争力強化と市場シェア拡大に寄与することが期待されています。

しかし、これらの技術的成功が直ちにレイオフの停止や削減に結びつくかは不透明です。新技術の開発や導入には多大な投資が必要であり、コスト構造の最適化や効率化を図るために、組織再編や人員配置の見直しが行われる可能性があります。

さらに、半導体業界は市場の需要変動や競争環境の変化に敏感であり、これらの要因も人員削減の判断に影響を与えることがあります。

我々PCゲーマーには直接関係がない話ですが、IntelとAMDが競ってくれればCPUは安くて高性能になりますからね。そういう意味では、両者の業績に注目しておきたいところです。