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Intel製CPUのグレードといえば、最下位委のCeleronからpentium、Core i3、i5と続き最上位のi7やi9という序列がありますよね。
各グレードの間には明確な性能差があり、これは世代が変わってもそう簡単には変わらないものでした。
ところが近年は、たった2~3世代前のCore i7が最新世代のi3に負けてしまうという現象が起こっています。この流れの中、i7を買うのは果たしてアリなのでしょうか。
4年前のi7が現役世代のi3に負ける?
ちょっと衝撃的ですが、4年前のi7(つまり3世代前のハイエンドCPU)が、最新世代のi3と大差ない性能になってしまうというのは本当のことです。
具体的には、Core i7 9700KとCore i3 12100Fのベンチマークスコアがほぼイコールになってしまっています。
これは結構いろいろな所で言われている情報で、一部では「第12世代Coreシリーズが傑作である証拠」のように語られていましたね。
具体的な数値としては、
Core i7 9700K…CPUスコア:14500程度
Core i3 12100F…CPUスコア:14400程度
という結果が出ていて、若干ではあるもののCore i7 9700Kが上です。これはおそらくTDPや物理コア数の差からきているのですが、正直なところほぼ誤差ですね。
ちなみにCore i7 9700Kは、8コア8スレッドで3.6~4.9Ghz動作、TDPは95W。
これに対してCore i3 12100Fは、4コア8スレッドで3.3~4.3GHz動作、TDPは58Wです。
TDPから換算するワットパフォーマンスではCore i3 12100F側が圧勝と言えそうですね。第12世代Coreシリーズが「当たり」であることを差し引いても、ちょっとi7の立場が危ういです。
なぜ4年前のi7=最新のi3になるのか
4年といえば、まだまだゲーミングPCは元気に稼働しますし「俺のゲーミングPCはハイエンド」という意識も続いているころです。
しかし、その実態は最新モデルのエントリークラスと同等の性能になっているわけで、これからゲーミングPCを購入する方にとっては悩ましい事実かもしれません。
ここまで短期間にi3が伸びてしまった背景には、Intelの技術革新による「シングルスレッド性能」の躍進があります。
第12世代「Alder Lake」シリーズでは、同一のCPUダイの中に性質の異なる2種類のコア(PコアとEコア)を共存させていて、負荷に応じて使い分ける仕様です。
Pコアは「パフォーマンスコア」ですから、強力なシングルスレッド性能を持ち、高負荷状態でも素早くタスクを処理します。
一方のEコアは「エフィシエントコア」の略称で、電力効率を重視した仕様。この2つを使い分けて消費電力と処理能力のバランスをとっています。
しかし、ローエンド帯のCore i3 12100Fは、4コアでありながらそのすべてがPコア。つまり処理能力重視のコアなのです。
コア数は少ないものの、シングルスレッド性能がかなり高いPコアのみで構成されているので、実は相当お買い得でコストパフォーマンスが高いCPU。
このPコアのみで構成されているという事実が、4年前のi7と同等の性能を持つ秘密なのです。
たった4年で価格差2.5倍を埋める進化
ちなみにCore i3 12100Fの価格は2022年8月時点で2万円弱。Core i7 9700Kは発売当初の価格が約5万円でした。
現役時の価格を比較すると2.5倍もの開きがあり、金額だけを見れば、「i7は4年で価値が40%以下に落ちてしまう」と言える状況です。
ただし、これは第12世代でPコアとEコアという技術革新があったおかげとも言えます。こうした技術革新はいつ実装されるか把握しにくいのが難点。
個人的にはこれからもi7は十分に買う価値があると思いますが、コストパフォーマンス重視でいくならばi3の購入→売却を2世代ごとに繰り返すのが無難かもしれないですね