9cm→14cmファンで冷却性能は2.4倍?ファンの大きさと冷却性能の関係性

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夏が近くなってくると、PCゲーマーの多くが「PCの温度」を気にしだします。一般的に空冷使用のPCは、室内気温が高いほど高温になりやすいからです。

標準ファンの交換を考えるのもこの頃。ちょうど5月後半から6月にかけて、ファンの交換を行う方が多いですね。ここで気になるのがファンの大きさと冷却性能の関係性。

「たった2~5センチ大きくなっただけでそこまで変わるのか?」と思うかもしれませんが、PCのケースファンは数センチ直径が伸びただけで冷却性能が大きく変化します。

ファンの面積で比較してみよう

PCケースファンの冷却性能を図る指標としては、回転数や「CFM(Cubic Feet per Minute)」と呼ばれる風量の数値などがあります。

これらはメーカーサイトなどで確認できるのですが、もっとお手軽に風量を推測できる方法として「円の面積による比較」があります。

方法はいたって単純で、ケースファンを円とみなし、円の面積を比較するのです。例えば、9cmファン、12cmファン、14cmファンの面積は以下のようになります。

円の面積=半径×半径×3.14
・9cmファン=4.5×4.5×3.14=63.585平方センチメートル
・12cmファン=6×6×3.14=113.4平方センチメートル(9cm比で1.78倍)
・14cmファン=7×7×3.14=153.86平方センチメートル(9cm比で2.42倍、12cm比で1.36倍)

ファンの回転数が同じ場合、面積に比例して風量が増大すると考えれば、12cmファンは9cmファンの1.78倍、14センチファンは2.42倍の冷却能力を有することになります。

たった直径が3センチ大きくなるだけで約1.8倍、5センチならば2.4倍になってしまうわけですね。すさまじい効果です。

CFM(Cubic Feet per Minute)で比較しても同様の結果に

ちなみに前述した風量の単位「CFM」で比較すると、

・9cmファン(2000rpm)…最大38CFM
・120cmファン(1500rpm)…最大58CFM(9cm比で1.53倍)
・140cmファン(1500rpm)…最大74.5CFM(9cm比で1.96倍、12cm比で1.28倍)

※メーカーによって差があるのであくまでも参考値です。

という結果になります。同じようにたった数センチ直径が大きくなるだけで大きく冷却能力が向上していますよね。

面積の比率と一致しないのは、ファンの大きさによって最大回転数が変わっているためです。一般的に小さなファンは回転数が高く、大きなファンは低く設定されています。

しかし、9cmファンならば2000rpmで回さなくては得られなかった風量を、14cmファンならば1000rpmそこそこで得られるため、静穏性は段違いです。

とにもかくにも、9cmはできるだけ早く卒業し、可能な限り14cmファンに置き換えていくべきですね。冷却性能の底上げと静穏化が一気に進みます。

14cmファン化は最もコスパが高いカスタマイズのひとつ

Amazonなどで14cmファンの価格を調べてみればわかりますが、RGB機能さえなければせいぜい1個2000円未満で購入できます。

私が愛用しているサイズのKAZE FLEXは、1200rpm仕様ではあるものの1200円程度です。常時800回転程度で稼働させているとほぼ無音、最大風量も67CFMほどあるので不便はありません。

こういったファンを3つ~4つ稼働させれば、非常に静かでありながらいざというときにはしっかり冷却してくれるPCが完成します。ファンを4つ交換しても1万円もしないでしょうね。

個人的にはBTOパソコンや自作PCで最初に着手すべきは、ファンの換装だと思っています。ぜひ参考にしてみてください。