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海外サイトをめぐっていると「本当にこの価格で大丈夫か?」というようなグラボを見かけます。
例えば、某有名中華サイトではGTX1650が6千円程度で売られていたことがありました。実はこうした「超破格」なグラボは、偽装品である可能性が否定できません。
今回は、海外通販の闇である「偽装グラボ」について紹介したいと思います。
そもそも偽装グラボとは何か
偽装グラボとは「GPUの型番を本来の型番とは偽って表記、もしくは内部的に書き換えているグラボ」の総称ですね。
表記や箱からは判別できないので、見抜くにはそれなりの知識が必要です。しっかりリファレンスの仕様などを把握していれば問題ないのですが、実際には騙されてしまう方がいるようですね。
例えば2~3年前までよく見かけたのが「GTX1650」や「GTX1050」の偽装グラボですね。もともと安いグラボなので、できるだけお得に手に入れようという方が多いのか、偽装グラボの報告がそれなりにありました。
だいたい新品で1~2万円で売れられているところ、偽装グラボなら6千円や8千円という価格がついていたのです。
私もたまたま見つけたことがありましたが、よく見ると「ん?」と疑問に感じる点がいくつかあったので買わずに済みました。
例えば以下のような点です。
・リファレンス仕様ではVGA出力がないはずなのに、アナログ13ピン出力のコネクタがある
・補助電源なしモデルのはずなのに、補助電源の差込口がある
これらは、ある程度PCパーツに慣れ親しんだ方ならすぐ見抜けるのですが、初心者の場合はそうもいきません。
VGA出力は画像ですぐわかるのですが、補助電源用の6ピンコネクタについては、正規品でもついている場合があるからです。
また、化粧箱に記載されているメーカー名は、大手ではなくほぼ聞いたことがないメーカーですね。ASUSやASRockの偽装グラボというのはあまり聞いたことがありません。
偽装グラボはツールである程度判別できるが…
ちなみに、仮に偽装グラボを買ってしまっても、「GPU-Z」などでGPUコアの型番を調べればすぐわかります。
GPU-Zはフリーソフトで、インストールするだけですぐにGPUコアの名称が確認できるので、初心者でもすぐに偽装グラボを見破ることが可能です。
ただし、この方法は「すでに偽装グラボを購入した後」にしか使えません。つまり、偽装グラボを購入前に見抜けるわけではないので、結局は損をするリスクを払拭できないのです。
では、偽装グラボをつかまないためには何をすればよいのでしょうか。上で述べたように仕様をしっかりチェックする以外には、以下のような方法が有効です。
相場よりも著しく安い新品には手を出さない
そもそもグラボは「格安の掘り出し品」がほとんど出ません。相場より少し安いくらいの価格はあっても、3割以上も安い場合には警戒すべきです。
ごくまれにNTT-Xのナイトセールなどで格安品が出回りますが、あれは国内大手の期間限定だからこそ成しえる価格。
「海外のECサイト」で見つけた場合は、ちょっと一息ついてから相場を確認しましょう。海外サイトが大幅に安かったのは昔のお話です。今は国内の相場と大差ありません。
BTOメーカーの中古販売サイトを使う
単に安いグラボが欲しいのならば、BTOメーカー各社が運営している中古販売のサイトを使用するのが安全です。
BTOメーカーのサイトにはまず偽造グラボが紛れ込まないうえに、結構お得なグラボが入荷しています。もちろん数量に限りがあるので頻繁にチェックしなくてはなりませんが…。
Amazonでは返品も可能
Amazonで偽装グラボを購入してしまった場合は、返品が可能です。また、Amazon本体からの補償が適用されることもあります。
しかしショップとのやり取りが面倒くさいうえに、Amazon本体からの補償適用までにはタイムラグがあるため、それなりに疲れます。
偽装グラボも普通に使えてしまうがコスパは最悪
偽装グラボの大半は「古い世代のローエンド帯製品を、新しい世代だと偽る」ことで作られています。
なので、ゲーミングPCに装着してもしばらくは普通に使えてしまうのですよね。しかし、メモリ容量を偽っていたり、ファンの制御がおかしかったりするので、性能自体は良くありません。
もっさりと動作しつづけ、ファンはうるさく、性能不足で落ちる…という可能性もあるわけです。とにかくあまりにも安いグラボには安易に手を出さず、出品者の評価などを入念にチェックするようにしてください。
個人的には、BTOメーカーのサイトで中古を漁ったほうが遥かに安全だと思います。