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自作PCで意外と見逃されがちなのが「ネジ締め」の強さです。精密機械の塊であるPCは、少しの傷や歪みで動作が不安定になります。
ネジ締めに失敗してしまうと、パーツそのものの交換になることも。しかしネジ締めの強さは誰も教えてくれませんよね。
そこで、自作PCのネジ締めの強さについてまとめてみました。
規定トルクが存在しない自作PCのネジ締め
ネジはPCに限らずあらゆる機械に使用されていて、特別な部品ではありません。しかし、同じネジでも締め付けの強さ(=締め付けトルク)には差があるのです。
一般的に締め付けトルクは、取り付ける場所やネジの大きさ、ネジ穴の長さや深さによって決められています。
例えば自動車などでは、タイヤの取り付けボルトは100nm(ニュートンメートル)、エンジンプラグは15nmといった具合に、場所ごとに締め付けトルクの規定値があります。
しかし、PCにはそういった説明がありませんよね。かつて、マザーボードにパーツを固定するためにネジを回しすぎて、割れてしまったという友人がいました。
自作PC歴が浅いと、ネジ締めの力加減がわからず、「外れてしまうのではないか」という不安のあまり締め付けすぎてしまうことがよくあります。
こうした事態を防ぐために、ネジ締めのコツはつかんでおきたいところです。
接地してから1回転でほとんどは問題ない
これはあくまでも私の経験によるものですので、自己責任でお願いいたします。
一般的に自作PCのネジ締めは「ネジの頭部分がパーツに接触してから1回転程度」で問題ないと考えています。
ネジの頭部分がパーツに接触すると、ほとんどの場合はネジがあまり締まらなくなります。この状態で1回転(360度)すると、まず外れることはありません。
逆にこれ以上強く締めこんでしまうと、固着を招いて外すときにねじ山を舐めてしまい、ドライバーが使えなくなる可能性がでてきます。
また、「手で締められるところまで締め、そこからドライバーで1~2回転」という方法もあります。
厳密に言えば、トルクを計測できるトルクドライバーなどで締まっている状態のネジ締めトルクを計測し、それに従って締めるという方法が正解です。
しかし、自作PCのためにトルクドライバーは必要ないと思いますし、感覚ベースで全く問題ありません。
ネジ締めの基本は3ステップ
最後に、ネジ締めの基本動作を紹介します。ネジはずっと同じ速度・力で絞めこむのではく、「軽く締め」「止まったところで簡単に仮締め」「短く1回転ほどギュっと本締め」が良いと言われています。
電動ドライバーでは均一に締めていきますが、人間の手の場合はある程度緩急をつけたほうが、体に覚えさせやすいです。
ネジ締めは極論を言えば「感覚で覚える」ものですから、まずは基本の締め方を覚え、そこから自分なりにコツをつかんでいってみてください。