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現在、ゲーミングPCのストレージとしてはNVMe SSDが主流です。ほんの数年前はSATA SSDと競っている状態でしたが、入手性がよくなるとともにNVMe SSDが普及しましたよね。
性能的にも、SATA SSDを選ぶ理由がないという人が大半です。しかし、本当にそうでしょうか。今回はSATA SSDとNVMe SSDを改めて比較してみます。
SATA SSDとNVMe SSDを5項目で比較すると…
「SATA SSDは価格が安いこと以外にメリットがない」という方がいます。
確かにそのような見方もありますが、私はそうは思いません。これにはしっかりと根拠があります。そこで簡単にですが、SATA SSDとNVMe SSDを4項目で比較してみましょう。
価格
まず、価格を売れ線の容量500GBクラスで比較します。
・SATA SSD:5000円~8000円
・NVMe SSD:6000円~16000円
最低価格を見ると意外に差がつきませんが、ボリュームゾーンを見るとやはり2倍近い価格差があります。
SATA SSDが安いというのはイメージではなく事実であり、コスパを追求するならばSATA SSDということになるでしょう。
消費電力
ストレージは常時稼働するものなので消費電力も大切な比較ポイントです。
SATA SSDは待機時0.03~0.07W程度、最大稼働時3~5W程度です。これに対してNVMe SSDは、待機時はSATA SSDとほとんど変わりませんが、最大稼働時は7~10Wになる製品もあります。
同じメーカーの製品を同じ条件で比較すると、大体2~3倍の差がつくようです。つまり、SATA SSDはNVMe SSDの3割~5割程度の消費電力ということ。結構差がありますね。
拡張性
実は地味に大きいのが増設するときの難易度、つまり「拡張性」です。NVMe SSDは事実上、マザーボードの専用スロットにのみ設置できるもの。
これに対してSATA SSDはSATA端子の数だけ増設できるため、非常に拡張性が高いです。増設によって容量を増やしたいのであれば、SATA SSDのほうが使いやすいですね。
NVMe SSDもPCIeの拡張カードで増設できるのですが、PCIeスロットはGPUやサウンドボードなど他にも使い道があるのでストレージのためだけに…というのは現実的ではないでしょう。
ランダムリード/ライト
SSDの実際の読み書き性能に近い「ランダムリード/ライト」(ランダムアクセス)を比較すると、以下のようになります。
・SATA SSD:80000IOPS
・NVMe SSD:20~40万IOPS
数値上はNVMe SSDの圧勝で、どのメーカーで比較しても2倍~3倍の開きがあります。実作業でも速度差を体感できるかと思います。
ただし、個人的には「GB単位の大容量ファイル1個」の読み書きのほうが体感しやすいです。つまり、シーケンシャルリード/ライトの分野のほうが体感しやすいです。
4KBの小さなファイルを読み書きするランダムリード/ライトでは「数値ほどではないな」というのが正直な感想。価格差を考えると微妙なラインです。
意外にも優位性があるSATA SSD
このようにSATA SSDは純粋な読み書き速度以外はNVMe SSDに勝っているのです。また、読み書き性能もゲームで体感できるかというと微妙なところで、グラボ交換の影に隠れてしまいます。
私はいまだにSATA SSDをメインストレージにしたPCを所有していますし、実際に使っています。その立場で言えば「現在のHDDのようなポジションになるのではないか」と感じています。
つまり、速度以外の部分(容量や拡張性など)を重視したストレージ選びならば、当面はSATA SSDで全く問題ないということです。
まだまだNVMe SSDの価格は落ちていくでしょうから、あと2~3年たたなければ優劣はつけられないとは思いますが…。ぜひ参考にしてみてください。