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Intel製のCPUは、2015年の「Skylake」以降、すべての世代に「lake(湖)」の文字が入っています。
それ以前はlakeという文字列が入っていませんでしたし、毎回まったく異なるコードネームがつけられていました。
なぜIntelのCPUは「lake(湖)」の文字列が挿入されるようになったのでしょうか。今回はIntel製CPUに関する雑学ネタです。
開発拠点と公共性のために「地名」をつける
まず、Intel社の基本的な方針として、あるCPUアを開発する際に、開発コードネームと呼ばれる名前を作成します。
これはIntelに限らず、AMDでもNvidiaでも同じです。開発コードネームは、その世代・プロジェクトを特定できるようにつけられるのですが、いくつかのルールがあるようです。
まず第一に「公共性があること」。特定の商品名や固有名詞ではなく、公共性のあるものをコードネームにすることがルールとしてあるのだとか。
Intelの場合は、以下のように、代々コードネームに地名をつけています。
2Nehalem(米国オレゴン州の地名)
Westmere(ニューヨーク州の一部)
Broadwell(イリノイ州ローガン郡の村)
また、「Sandy Bridge」や「Ivy Bridge」のように箸の名前も好きなようですね。橋は地名ではなく建造物ですが、やはり公共性がありますし、地名と同等の扱いを受けることが多いです。
二つ目のルールとしては「誰かのものだと勘違いされないような名前であること」があるようです。例えば、開発者の姓名や氏名を付与すると、その人物だけが開発したかのような誤解を生みます。
有名人の名前などをつけてしまうと、名称使用権で訴訟騒ぎになる可能性も…。といった事情から、無難な「地名」に落ち着いていたようです。
ではなぜ「湖」?
このようにずっと地名もしくは橋だったわけですが、第6世代「Skylake」以降はずっと「lake(湖)」です。
- Skylake
- Kaby Lake
- Coffee Lake
- Whiskey Lake
- Amber Lake
- Cannon Lake
- Cascade Lake
- Comet Lake
- Ice Lake
- Tiger Lake
- Rocket Lake
- Alder Lake
- Raptor Lake
途中、Cove(入り江)になったり、「○○Lake Refresh」になったりしますが、基本はlakeです。水辺という意味では入り江も同じような意味かもしれません。
なぜここまで湖にこだわるのかですが、これについては明確な根拠のある情報が得られませんでした。ただし、Intelは開発拠点をオレゴン州に置くことが多く、北米地域の自然を参照して名称が付けられている可能性はあります。
また、Intel製CPUの開発はさまざまなプロジェクトが立ち上がり、中継ぎのようなCPUやスケジュールの遅れの結果生み出されたCPUが増えたため、それらを一時的な水たまり=lakeと例えたという話もあるようです。
いずれも推測の域を出ませんが、CPU開発プロジェクトが年々厳しくなっていることの表れなのかもしれません。
AMDは人物名にシフト?
蛇足ですが、AMDのコードネーム命名ルールについても触れておきましょう。AMDは代々、尾根(Ridge)をコードネームに組み込むことが多かったのですが、最近は少し違いますね。
直近では「Matisse(マティス)」「Vermeer(フェルメール)」など、著名な画家に由来すると思われる名称が多いです。また、最新の「Raphael(ラファエル)」は聖書に登場する大天使ラファエルでしょうか?
いずれにしてもIntelとはコードネーム命名ルールの面でも全く異なるようですね。以上、CPUの開発コードネームに関する雑学ネタでした。