第11世代が発売されたものの、いまひとつ話題性に欠けるIntel製CPUですが、ミドルレンジクラスはなかなかの出来です。
特にCore i5 11400Fは、コスパ最強CPUに近い担う良CPUと言えます。しかし、正直なところ前世代の「Core i5 10400F」で十分との声も…。
そこで、10400Fと11400Fを簡単に比較し、どちらを買うべきなのかを考えてみます。
Core i5 10400FとCore i5 11400Fの比較
まず、2つのCPUのスペックを比較してみましょう。
Core i5 10400F
コードネーム | Comet Lake(第10世代) |
プロセスルール | 14nm |
コア数 | 6コア12スレッド |
クロック数 | ベース:2.9GHz、ターボ:4.3GHz |
TDP | 65W |
価格 | 約17000円(2021年6月時点) |
Core i5 11400F
コードネーム | Roket Lake(第10世代) |
プロセスルール | 14nm |
コア数 | 6コア12スレッド |
クロック数 | ベース:2.6GHz、ターボ:4.4GHz |
TDP | 65W |
価格 | 約20000円(2021年6月時点) |
スペックだけを見ると、ほとんど違いがありませんね。ベンチマーク上では11400Fのほうが高速ですが、その分発熱が増えたという報告が上がっています。
価格は3000円ですから、微々たる差といえばそうなのですが、ほとんど変わり映えのしないなら安いほうで良いのでは…と考えるのは当然のこと。
実際、私もCore i5 10400を使用していますが、Dead by Daylight程度のゲームならばかなり余裕がありますし、ミドルレンジ上位のCPUでもボトルネックになりません。
これだけならば「11400Fを買う意味なんてないのでは?」と考えがちですが、私は今から買うならば11400Fをおすすめします。
Core i5 11400Fのここがすごい
スペック上は10400Fと大差がないように見える11400Fですが、よく見ていくとなかなか良くできたCPUだと思います。その理由は下記のとおりです。
シングルスレッド性能がCore i9-10900Kに肉薄
Cinebench R20で計測されたベンチマークスコアを見ると、Core i5 11400Fは「541」となっています。
これはCore i9 10900Kの「549」とほぼ同一と言って良く、ミドルレンジクラスとしてはかなり良い数字です。
ちなみに2019~2020年に最強コスパと言われたRyzen 5 3600は「487」、直近の旧モデルCore i5 10400Fは「433」です。
Core i5 10400F比で約25%もシングルスレッドのスコアが上がっているため、3000円上乗せする価値は十分にあると思います。
比較的古いアプリやゲームを動かすこともある方なら、非常に高速な環境が格安で手に入るでしょう。シングルスレッド性能だけを見ると破格の安さです。
マルチスレッド性能も順当に成長
次にマルチスレッド性能を見るとCore i5 11400Fが「3954」、Core i5 10400Fが「3188」です。
こちらも24%ほど向上していて、極めて順調…というかかなり優秀な成長具合ですね。ちなみにこちらもRyzen 5 3600(3764)を上回っています。
消費電力はあがったがTDP65Wに抑えた
消費電力は10400Fが153Wに対して、11400Fは181W。ちょっとこれは省電力と言い難い数字ですが、それでもTDP65規格に収めたのは見事ですね。
実は消費電力で見るとTDP125WのCore i5 10600Kとほぼ同じなのです。ちなみにゲーミングスコアもほとんど同じ。
つまり、Core i5 10600Kよりも低発熱で、性能はほぼほぼ同じ、と言うことが出来るわけです。ここで10600Kの価格をチェックしてみると約25000円(2021年5月時点)
差額5000円なのでCore i5 10600Kを買うならば11400F、と言えなくもないですね。私なら間違いなく11400Fです。
Core i5 11400Fは明らかに”買い”
上位モデルの低評価に隠れてしまっていますが、ミドルレンジの強さはいまだ健在のIntelといったところでしょうか。
Core i5 11400Fはもはや前世代のミドルレンジ上位に肉薄する性能を持っていますので、価格から考えると相当お得です。
特にフルHD~WQHDくらいまでの環境ならばまず11400Fで問題ないでしょう。