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ゲーミングPCの電源容量は、「大きいほど良い」といわれることがありますが、この理由をご存じでしょうか。電源容量に余裕を持たせると、どのようなメリットがあるのかを具体的に解説します。
電源容量に余裕を持たせるべき理由
ゲーミングPCの電源は、システム全体の消費電力よりも、少し大きめの容量を選ぶべきです。その理由は、主に2つあります。
一つ目は、「拡張性が高くなる」ことでしょう。ゲーミングPCはGPU、CPU、メモリなどを交換・追加する可能性があることから、構成によって消費電力が変化します。
この変化を支えるのは、電源容量です。例えばGPUをGTX1050TiからRTX2070に変えようとおもったとき、電源容量が400Wでは不安がありますよね。あらかじめ600W程度の電源を選んでおけば、RTX2070へのアップグレードにも耐えられます。
二つ目は、「故障する確率が低下する」という点です。電源容量と故障率が関係あるのか…?と思うかもしれません。しかし、電源は「負荷によって変換効率が変わる」という特徴があります。具体例として、80plus認証の基準を見てみましょう。
80PLUS認証のグレード別変換効率(負荷20%、50%、100%)
80PLUS | 負荷20% | 負荷50% | 負荷100% |
---|---|---|---|
STANDARD | 80% | 80% | 80% |
BRONZE | 82% | 85% | 82% |
SILVER | 85% | 88% | 85% |
GOLD | 87% | 90% | 87% |
PLATINUM | 90% | 92% | 89% |
TITANIUM | 92% | 94% | 90% |
これを見てわかる通り、電源への負荷率が50%のとき、変換効率が最もよくなり「電気を無駄なく使えている」状態といえます。同じ消費電力のシステムを動かすにしても、電源の負荷を50%程度で済ませたほうが、システムは安定するのです。
80PLUS認証については「初心者が知っておきたい!BTOパソコンの電源ユニットの容量、『80PLUS認証』の見方」の記事をご覧ください。
大容量電源をどう選ぶか?
では、大容量電源をどう選べばよいのでしょうか。基準は人によってさまざまですが、私の場合は特に以下を重視しています。
- 保証期間が5年以上あるか
- 日本製コンデンサを使用しているか
- 80PLUS認証のグレード
- サポート体制
特にコンデンサの質は非常に重要です。電源の寿命=コンデンサの品質、と言っても差し支えないほどです。また、サポート体制は日本国内の企業ほどしっかりしている傾向にあります。
海外メーカー製の電源でも品質が良いものはあるのですが、サポート体制に不安があることが多いですね。サポート体制が充実していれば、不具合があっても数日で「新品交換」などを行ってくれます。
個人的には、オウルテックのサポート体制が良かったです。オウルテックは電源の保証期間も最長12年と非常に長く、しっかりとノウハウを持った技術者が常駐している印象です。
Seasonicシリーズなど、日本向けに特別なカスタマイズを施した高品質電源シリーズは、電源容量が大きく品質も安定しています。電源容量については「ゲーミングPCを自作する際の電源容量の選び方&計算方法。初心者が間違えないためのコツ」で紹介しています。
後々のパーツ交換や故障のリスクを考えると、ゲーミングPCの電源は、最低でも450W、できれば650W程度を確保したいところです。価格はあまり気にせず、余裕をもった容量とサポート体制を重視して選んでみてください。