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ここ数年、チラシやDMなどがきっかけて評判を呼んでいる「パソコンの有償譲渡会」をご存じでしょうか。この有償譲渡会で売られている中古PCが、ネットで話題となっているようです。
本来なら「譲渡」は「譲り渡す」ことを指す言葉ですが、なぜか「有償」となっていることも疑問ですよね。一体どのようなPCが売られているのか、買っても良いものなのかなどを考えてみます。
パソコン譲渡会とは?
簡単にいうと「官公庁主催のリース切れ中古PCを売るイベント」ですね。企業や官公庁、自治体などがリース契約していたPCなどを、安く販売するという名目で開催されています。
一般の中古PCとは違い、ビジネス用途で丁寧に使われていることや、手入れが行き届いていること、サポートやセキュリティがある程度保証されているというメリットがあるようです。
自治体が主催するものもあるようですが、「JEMTEC(一般社団法人 日本電子機器補修協会)」という公的な団体が主催することが多いようです。
実際に譲渡会に来ている人々は、それほどPCの知識がない一般ユーザー。しかも、中古年や子供連れの方多いですね。家電量販店やBTOショップとは、明らかに客層が異なります。
パソコン譲渡会PCのスペックと価格
実はこのパソコン譲渡会、毎回そこそこ好評を博しているようで、売れ行きは上々なのです。私も一度だけ様子見で足を運んだことがありますが、「このスペックがなぜこの価格で売れるのか……」と戸惑いを見せるほど、売れ行きは好調でした。
おそらくですが、「PCを初めて購入するが、得体のしれないものでどうすればよいかわからない」という購入希望者が殺到しているのだと思います。50代~60代以上の方で、PCが日常生活にある時代を過ごしてケースは珍しいでしょうから。
ちなみにパソコン譲渡会PCのスペックは
- Core 2 Duo もしくは第2~3世代までのCore iシリーズ、Celeronなど物理2コアベースのCPU
- メモリ2GB~4GBが主体(8GBは珍しい印象)
- ストレージはHDDからSSDまでさまざま
- 基本的には5年前以上のモデル
といったもので、価格は「3万円~6万円」でしょうか。OSはWindows7なんかが当たり前のようにインストールされています。正直、とてつもなく高いです。高い安いというよりも「買っても何の役にも立たない」と感じるPCが多いですね。
批判的になってしまいがちなのですが、BTOパソコンで最新世代のCore i5搭載デスクトップが7万円程度で買えることを考えると、やはりちょっと考えてしまいます。
保証やサポートありならBTOショップのほうが格段に上
もし、身近な方(両親や祖父母)などが譲渡会PCを買おうとしているなら、一言アドバイスをしてあげてください。「かなり割高だけどそれでも良いの?」と。
おそらく、新品のPCが20~30万円もする極めて高額な精密機械だと勘違いしているのでしょう。最新スペックさえ求めなければ、BTOショップのPCのほうが遥かにコスパは上です。
もちろん、サポート体勢もセキュリティソフト、オフィスソフトのバンドルサービスもあります。どう考えても、5年以上前の2コア&4GBモデルを6万円で買う理由はないのです。しかも中古で…。
個人的には「有償譲渡会」という名前が少しずるいなと感じてしまいます。どこか公的なにおいを漂わせ、情報に疎い人を集めようという意図が見えてしまうのです。
我々PCファンには、「+1~2万円でもっと良いものが買える」ことを教えてあげる義務があるのではないでしょうか。