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マザーボード部分と電源部分が物理的に板で区切られている「チェンバー構造」のPCケースが人気ですよね。
このチェンバー構造、どうやら自作歴が長いユーザーからは賛否両論があるようです。そこで、チェンバー構造のメリットとデメリットを整理してみたいと思います。
チェンバー構造のPCケースとは
チェンバー構造とは文字通り「チェンバー(小部屋)」のように、PC内部が区切られているタイプのPCケースです。2017年あたりから徐々に増え始め、今では人気モデルの大半がチェンバー構造を採用するようになっています。
一般的には、マザーボード設置部分と電源設置部分を区切る方式が多いです。また、これ以外にもmini-ITX対応ケースなどでは「ケース内を縦に2分割」する方式もあります。
チェンバー構造のメリットとデメリット
メリット
メリットは主に以下3つです。
エアフローが確立されやすい
区切りがあることで空気の流れが一方向に整いやすく、限られたスペースでも熱の排出がスムーズになります。また、チップセット・電源・GPUなどの「熱源」をお互いに干渉させないことで、冷却効率を上げる狙いもあるのでしょう。
一般的なミニタワーやミドルタワーケースの場合、フロントから吸い込んだ空気は、放射状にPCケースの中に拡がります。
このとき、電源部分にチェンバーがあることで、吸い込んだ空気はマザーボード側、特にCPU部分に向かいやすくなるわけです。空気が分散しないため、小さい風量でも効率よくケース内部を冷やすことができます。
見た目が良い
さらに、見た目もすっきりしており、サイドがアクリルやガラスのPCケースでは、スタイリッシュさの演出にもつながるでしょう。
静音性能があがる
特に電源部を覆い隠すことが多いため、電源ファンの音がシャットアウトされます。ただし、これについては素材や構造によるため、すべてのケースが当てはまるわけではありません。
デメリット
一方、デメリットとして次の2点が挙げられます。
メンテナンス効率が落ちる
私も2台ほどチェンバー構造のPCケースを購入しましたが、どちらもチェンバー無しのモデルにくらべてメンテナンスがしにくいです。
大型のGPUやCPUクーラーの設置、マザーボードを取り付け、M.2 SSDの差し込み、どれをとっても不便ですね。いったん組み付けてしまえば実害はないのですが…。また、電源部分が隠れてしまうことで、電源の脱着も面倒でした。
ケーブルの取り回しが悪い
マザーボードと電源、シャドウベイなどをつなぐケーブルの取り回しが悪くなりがちです。
最近のPCケースは大半が「裏配線」に対応しているものの、チェンバーがあることで余計な取り回しが発生するため、ケーブルの長さがギリギリになることも。
あえてチェンバー構造を選ぶ理由はないが…
私個人の意見としては、現状のPCケースに満足しているならば、あえてチェンバー構造タイプに変更する必要はないと思います。
しかし、今からPCケースを選ぶとなると、人気モデルの大半がチェンバー構造だけに、選択せざるを得ない可能性もあります。
慣れてしまえばどうということはないのですが、メリット・デメリットを把握したうえで購入することをおすすめします。