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PC電源の容量は「400~700W」がボリュームゾーンなのではないかと思います。
実際に使われているゲーミングPCの電源も、大体このあたりのはずです。BTOパソコンを見渡しても、500~600Wモデルが多いですよね。
しかし、世の中には1000W級の電源、つまり「キロワット電源」も存在します。省電力化、高性能化が進んだ今、キロワット電源が必要な構成はどのような内容なのか気になりませんか?
今回はキロワット電源を使っているPCの構成や、実際の消費電力も調査してみました。
1000W級の電源が必要なPCとは
1000W級の大容量電源が必要なPCは、「ハイエンドクラスのCPUとGPU」を兼ね備えています。
例えば、以下のような構成ですね。
例1
CPU | Core i9 11900K(TDP 125W) |
GPU | RTX 3080Ti(TDP 350W) |
例2
CPU | Ryzen Threadripper 3970X(TDP 280W) |
GPU | RTX 2080 SUPER(TDP 250W) |
大体CPU+GPUのTDPを合計すると、500~600W前後になるケースが多いです。また、GPUのTDPが300W前後に達する場合は、+12V系統の関係から必然的に1000W級の電源が必要になることもあります。
RTX 3080Tiなどは、高付加時に400~500Wの消費電力に達することもあるため、1000W級が必須になるでしょうね。また、Ryzen ThreadripperはCPU単体で300W近いので、こちらもGPUに関わらず1000Wは必須かもしれません。
1000W級電源を積むPCの消費電力
次に、キロワット電源を積んでいるPCの消費電力を見ていきましょう。
例1
CPU | Core i9 11900K(TDP 125W) |
GPU | RTX 3080Ti(TDP 350W) |
ストレージ | NVMe SSD ×1 |
アイドル時 | 73W |
高負荷時 | 650W |
例2
CPU | Core i9 11900K(TDP 125W) |
GPU | RTX 3080Ti(TDP350W) |
ストレージ | NVMe SSD ×2 |
アイドル時 | 95W |
高負荷時 | 680W |
どちらの場合も高付加時に600~700w近い消費電力になります。この消費電力はシステム全体のものであるため、ストレージやファン、その他パーツの消費電力も含んだ数値です。
全体として600~700Wであれば、変換効率(80~85%)を考慮して、最低でも800~850W以上の電源が必要になるでしょう。多少マージンを設けるとしても、やはり1000W級が望ましいと言えるわけですね。
ハイエンド構成以外にはつかい道が無い
ただし、キロワット電源はCPUとGPUの両方がハイエンドである場合を除き、ほとんど使い道がありません。
PC用の電源は、負荷によって変換効率が変わります。そのため、「最もおいしいところ(=変換効率が高い負荷率)」が、システムの消費電力と合うようにするのがベストです。
つまり、システム全体で高負荷時に400w程度しか使用しないPCにキロワット電源を搭載しても、負荷が小さく変換効率も低い部分を使うため、宝の持ち腐れなのです。
400W程度であれば、容量650Wの電源などがベストチョイスになるでしょう。また、ゲーミングPCはCPUがミドルレンジ上位、GPUがハイエンドの入り口程度の組合せが最もコスパが良いため、1000W級の電源が必要になるケースは稀です。
私も「Core i5 11400+GTX1660Ti」という組合せのPCを普段使いしていますが、電源は600Wで全く問題ありません。「容量が大きい=優れている」というわけではないため、システム構成に合った電源を選ぶようにしましょう。