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オーディオマニアの間では「電気の質で音が変わる」とされており、これはゲーミングPC界隈でもしばしば話題になります。
つまり「電源が良いと音も良くなる」という噂ですね。私も何度か友人から聞かされたことがあります。
本当に電源が高品質になると、音も変わるのでしょうか。
一般的には変わらないはずだが…?
まず、一般論として「PC用の電源はオーディオ用電源とは異なる」ということを理解しておきましょう。
オーディオ用の電源、つまりパワーアンプなどの電源部分は、巨大なトランス、大容量の電解コンデンサ、ダイオードなどをふんだんに使った「アナログ電源」です。
また、ノイズを除去するためにアナログ回路とデジタル回路を分け、お互いに干渉しないように工夫されています。
これに対して、PC用電源は「スイッチング電源」であり、ノイズが多く発生します。
なぜスイッチング電源を採用するかと言うと、電気の変換効率を重視しているためです。また、複数の電圧に対応し、冷却ファンも搭載しています。
このようにもともとノイズが発生しやすい電源を使うため、品質が高かろうが低かろうが、オーディオの質には関係が無いという説もあるようです。
ところが、電源を高品質なものに交換すると、「ゲームのBGMが良くなった」「敵の足音がくっきり聞こえるようになった」という話を耳にすることがあります。
技術的な内容はともかくとして、電源の交換がゲームサウンドに何らかの影響を与える可能性は、ゼロではないと思いますね。
5000円の電源と2万円の電源で音に差はでるのか
友人のPCと自分のPCを使い、お互いの環境で「5000円の電源」「2万円の電源」を使った実験をしてみました。
ちなみに5000円の電源は80PLUS認証のスタンダード、2万円の電源は80PLUS認証のプラチナムです。再生した音源は、女性ボーカリストが歌うR&Bの洋楽。結果は以下のようになりました。
5000円の電源
ヘッドホンを装着した状態でボリュームを上げると、若干ノイズが混じり、ボーカルの音は情報量がやや少ない印象です。
低音のほうは特に問題ないのですが、高音になると少し音が物足りない感じがします。逆に中音域はしっかりしていましたね。
スピーカーで再生すると、低音が少しこもるような印象を受けました。また打鍵楽器の音が少しうるさい感じも…。
その他は、特に問題なく鳴っていたような気がします。
2万円の電源
まずヘッドホンで聴くと、5000円の電源に比べてノイズの少なさが明確でした。中音域は変わりませんが、高音の伸びと広がりが感じられます。
ヘッドホンを少し良いものに交換すると、よりクリアで情報量が多くなり、臨場感も出始めましたね。
また、スピーカーでは、5000円の電源を使っていたときの「こもる感じ」が無くなり、音の鮮明さが際立ちました。簡単に言うと、メリハリが出ましたね。
ハイエンドマザーには相応の電源を使うべし
人間の体(耳)を使ったテストだけに、オカルトと言われればそれまでなのですが、その場で交換して聴き比べただけでも違いが体感できましたね。
どうやら電解コンデンサの質が高く、電圧の変動が少ない2万円の電源は、音にも良い影響を与えるらしいです。
もし、高品質なサウンドチップを搭載したハイエンドマザーを使っているのであれば、電源も相応のものにすべきかもしれません。せっかくのサウンドチップも、電源の影響でノイズが混ざると台無しですからね。