Intel CPUの末尾「K」の有無で性能はどのくらい変わる?

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Intel製CPUには、末尾に「K」や「U」などの文字(サフィックス)が付与されているモデルがありますよね。

中でも「K」は高性能モデルの代名詞として知られています。では、K付きモデルと無印では、どのくらいの性能差があるのでしょうか。

第12世代Core i7で比較

早速、第12世代Core i7をK付きと無印で比較してみましょう。以下は、両モデルのスペックです。

Core i7 12700

コア数/スレッド数・・・12コア20スレッド(Pコア8、Eコア4)
動作クロック・・・Pコア:2.1~4.9GHz、Eコア1.6~3.6Ghz
TDP・・・65W
最大消費電力・・・180W

Core i7 12700K

コア数/スレッド数・・・12コア20スレッド(Pコア8、Eコア4)
動作クロック・・・Pコア:3.6~4.9GHz、Eコア207~3.8Ghz
TDP・・・125W
最大消費電力・・・190W

Core i7 12700無印とCore i7 12700Kを比較すると、まず物理コア数の数や構成は同じです。

性能重視のPコアが8つと効率重視のEコアが4つで、パフォーマンスとエコを両立する今流行りの構成ですね。

ただし、それぞれのコアの動作クロックがかなり違います。Core i7 12700無印側はCore i7 12700Kよりも動作クロックの下限が低いですよね。

Core i7 12700Kのほうは、最低ラインが高いので常に高パフォーマンスを維持しやすいCPUと言えます。このことがTDPにも反映されているのでしょう。

一般的にK付きのCPUは、無印のCPUの中から特に電圧上昇耐性が高いもの(=OCクロック耐性が高いもの)を選抜して作られます。

そのため、素性は同じでも、性能には差がでてしまうわけですね。

K付きCPUは動作倍率を変更可能

これは有名な話ですが、K付きのCPUはCPUの動作倍率を変更できることから、OCが容易に行なえます。

Core i7 12700Kであれば、通常は49倍程度の内部倍率を52~53倍に高めることで、5.2~5.3GHzでの常用も見えてきます。

ただし、昔のCPUのように大幅な倍率変更は不可能なようですね。倍率変更しない状態でも、Intel謹製のオーバークロック機能で5GHzまでは上がってしまいますから、マージンはその少し上といったところ。

youtubeの動画などを検索すると、マックス5.3Ghzあたりに限界がありそうです。マザーボードのBIOSがどこまで対応しているかにもよるのですが、5.3Ghzあたりになると体感速度の向上があります。

IntelのK付きモデルは非常に優秀?

実は第12世代になって、IntelのCPUがAMDを猛追し、コスパで巻き返すという現象が起きています。これは、Intelがついに14nmから10nmプロセスへの移行を果たした事が大きいですね。

プロセスルールの微細化が進んだことで、トランジスタの密度があがり、AMDの7nmよりも多くの回路を敷けるようになったと言われています。

価格を比較すると、Core i7 12700は約43000円、Core i7 12700Kは約48000円です。Core i7 12700KのライバルであるAMDのRyzen 9 5900Xは、実売価格約58000円。

ベンチマークの結果は次のとおりです。

Cinebench R15 マルチスレッド性能

Core i7 12700K・・・約3300
Ryzen 9 5900X・・・約3600

Cinebench R15 シングルスレッド性能

Core i7 12700K・・・280~285
Ryzen 9 5900X・・・277~279

このようにマルチスレッドではRyzenにわずかに届きませんでしたが、シングルスレッド性能ではついに勝利をおさめました。

ちなみにCinebench R23では、マルチスレッド性能でもRyzen 9 5900Xを上回っています。この性能で価格は1万円も安いため、数年前のRyzenのようにコスパ・性能両面で非常に優秀なCPUなのです。

これは第12世代のIntel製CPU全般に言えることで、ようやくIntelの時代に戻ってきたかという感想ですね。半導体不足の影響でGPU価格は高止まりしていますが、CPUについてはコスパが良い時代が続きそうです。