AMDのフレーム生成技術「Fluid Motion Frames 2(AFMF 2)」に注目

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近年のGPUは、AI関連技術を核としたフレーム生成機能が組み込まれています。

フレーム生成技術は、GPUがフレームを独自に生成し、より滑らかな映像表現を実現しながら遅延を軽減できることが強み。

このフレーム生成技術の新バージョンが、AMDからリリースされました。その名も「Fluid Motion Frames 2(AFMF 2)」。果たしてどんな機能なのでしょうか。

「Fluid Motion Frames 2(AFMF 2)」とは?

まず、Fluid Motion Frames 2(以下AFMF2)の前提であるFluid Motion Framesについて簡単に知っておきましょう。

Fluid Motion Framesは、フレームレートを上げつつスムーズな動きを実現するために開発されたAMDのフレーム生成技術です。

AMD製のドライバーに組み込まれているので単体で目にすることはできませんが、最新世代のAMD製グラボなら大体搭載されていますね。

AMDのフレーム生成技術としては「FSR3」が有名ですが、Fluid Motion FramesはFSRと若干仕組みが違います。

FSR3はゲームタイトル側で対応している必要がありましたが、Fluid Motion Framesはドライバ側でフレーム生成を行うので、ゲーム側で対応している必要がありません。

つまり、どんなゲームでも恩恵を受けられるのがFluid Motion Framesです。

AFMF2はこのFluid Motion Framesのアップグレード版で、さまざまな機能が強化されています。

AFMF2の概要

まずAFMF2の機能概要を見ていきましょう。公式情報によると以下のような機能が強化されているとのこと。

AI 最適化された機能強化

フレーム生成のスムーズさを向上。
さまざまな解像度に対応する新しい「高」および「標準」モード。

パフォーマンスの改善

新しい「パフォーマンス」モードによりオーバーヘッドが削減されます。
統合グラフィックスと幅広いデバイス互換性に最適化。

低レイテンシ

フレーム生成の遅延を大幅に削減。
改善はすべての設定とハードウェアに適用されます。

拡張された互換性

RX 7000および700Mシリーズでのボーダーレスフルスクリーンのサポート。
VulkanおよびOpenGLゲームのサポートを追加。
AMD Radeon Chillとの相互運用性。

技術的な改善

更新されたアルゴリズムにより、動きの激しいシーンでのジッターが軽減されます。
「パフォーマンス」モードは、内蔵型GPUを搭載したノートPCやミニPCプラットフォーム向け。
独立型GPU (RX 7000 および RX 6000 シリーズ) 向けに最適化された「品質」プリセット。

全体的にフレーム生成の性能を底上げしている印象ですね。

また、パフォーマンスモードは処理能力の低いGPUを、品質プリセットは高性能な独立型GPUを対象としていて、どのような環境でも恩恵が受けられるようにしています。

低負荷なゲームでの恩恵が大きい

実はこのAFMF2、重量級の3Dゲームを対象としているかと思いきや、低負荷なカジュアルゲームでも恩恵が大きいとのこと。

特に遅延が減ったとの声が多いですね。フレーム生成(補完)にAIを活用しているので、生成時に必要な「動きの予測」や「予測が失敗したときの遅延」に関する処理が改善されたのかもしれません。

RX6600くらいの少し前のグラボの延命にも役立つようです。

ちなみにAFMF1とAFMF2の近くでは、遅延が約半分から3分の1程度にまで減少している報告もあります。この手の技術にしてはかなり効果を体感できるレベルなので、優秀ですね。

AMDのグラボは全体的にNvidiaに押され気味ですが、AFMF2でスムーズさや遅延が改善されるならば、中古の型落ちでも十分に遊べそうです。