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ハイエンドゲーミングPCの冷却といえば、簡易水冷ですよね。空冷ではたどり着けない冷却性能が持ち味。
しかし、簡易水冷でも「騒音」の問題は発生します。むしろ騒音の問題は空冷よりも深刻かもしれません。なぜなら、原因がはっきりしにくいからです。
そこで簡易水冷の騒音について、解決方法を整理して紹介します。
簡易水冷で起こりうる騒音問題
簡易水冷に変えたものの、微妙に音が聞こえ続けてきて不快……という方は結構います。
私の知人も昨年の春に簡易水冷を導入し、当初はしっかり冷えていたので満足していたものの、2か月後くらいから原因不明の音に悩まされていました。
どうやら簡易水冷の騒音はいくつかのタイプがあるらしく、それぞれ原因が異なります。私が把握しているのは以下の2つです。
・カリカリカリ…というHDDのシーク音を不快にしたような音
・プシュプシュ、カラカラ…という何かが振動しているような異音
どちらが発生するかは簡易水冷の構造や環境次第なのですが、それぞれ対策方法を紹介したいと思います。
カリカリカリという異音の場合
この場合は、UEFIなどから水冷ポンプの回転数を落とすことで異音が解消することが多いようです。
ただ、このカリカリ音はポンプの位置によって発生することも多いようで、「PCを横にしたら治った」ということもよく耳にしました。
また、ラジエーターとポンプの位置関係を調整することでも解消できるようです。具体的には「ラジエーターのチューブをポンプの下側につなぐ」「タジエーターの頂点がポンプよりも高い位置になるように設置する」という方法です。
簡易水冷システム内に発生したエアーは、システム内の最も高い位置に溜まります。ポンプのほうが高い位置にあると、どうしてもポンプ内にエアーが溜まり、これがカリカリ音の原因になるようです。
そこで「ラジエーターの頂点部にエアーが溜まるように」ポンプよりも高い位置に設置し、なおかつポンプにつながるチューブは下側から設置することでエアーがポンプに入るこむのを防ぐことができます。
プシュプシュ、カラカラ音の場合
簡易水冷システムを組み付ける段階で、ポンプ部に入ったエアーがそのまま滞在しており、ポンプのローターが回転することで「エア噛み(キャビテーション)」を起こしている可能性があります。
見かけ上は水で満たされていても、ポンプ部のエアーは残ったままになっているため、気が付かずに組み付けてしまいがちですから。
ローターのエア噛みによる音は製品によって異なりますが、一般的にエア噛みの音は非常に不快です。実際に冷却システムを販売しているお店の方とお話をしたことがありますが、「異音」としてクレームを言ってくる人が多いそうです。
この異音の対策としては、「水分を注入したらすぐに電源を入れず、ポンプ部をゆする」という方法があげられます。
電源投入前にポンプをゆすることで、ローター周辺のエアーが抜ける可能性があるそうです。また、異音の発生源を特定するために「ポンプ単体で動作させてみる」という方法も教えてもらいました。
これは、ポンプのインとアウトをホースでつなぎ、電源を入れて異音の発生源を見極めるのです。もしこの状態で異音が発生すれば、単純にエア抜きが不足しているとのこと。
簡易水冷の騒音は「エアー」との闘いである
以上の内容を総括すると、簡易水冷は「ポンプ部にエアーをためない」という点が非常に大切になってくると分かりますね。
カリカリ音やカラカラ音は、一度気になりだすとストレス源になりますから、設置前にしっかりエアーを抜くようにしましょう。