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「EUV露光技術」とは、半導体の微細加工において非常に重要な技術であり、近年のグラフィックボード(GPU)の高性能化を支える不可欠な存在です。
特に、より小さく、より多くのトランジスタをチップ上に配置するためには、従来の露光技術では限界がありました。
今回は、EUV露光技術の概要から、そのすごさ、そしてグラボに採用されることで得られるメリットについて解説します。
EUV露光技術とは?何がすごいのか
EUV(Extreme Ultraviolet)露光技術とは、従来の深紫外線(DUV)に比べて、波長が非常に短い13.5ナノメートルの極紫外線を用いた半導体露光技術です。
従来のDUV露光技術では波長が193ナノメートルだったのに対し、EUVはそのおよそ15分の1程度の波長であり、これにより微細な回路の形成が可能になります。
この波長の短さがもたらす大きな利点は、「高密度な回路」を形成できることです。
EUV技術を使うことで、より小さく、より多くのトランジスタを半導体上に配置することが可能となり、チップの演算性能が飛躍的に向上します。
また、微細化されたプロセスは消費電力も低減できるため、同じ性能でも省エネが可能です。
このようにEUV露光技術は、単に高性能なチップを生み出すだけでなく、エネルギー効率の面でも優れているため次世代の半導体に不可欠な技術とされています。
現在のグラボにEUV露光技術は採用されている?
EUV露光技術は、現在の最新グラフィックボードであるNVIDIAの「GeForce RTX 4000シリーズ」やAMDの「Radeon RX 7000シリーズ」の製造プロセスで採用されています。
これらのGPUは、台座となるシリコンウェハーにEUVを用いて細かな回路を刻むことで、従来製品よりも飛躍的に高性能化されています。
これまで半導体業界では、10ナノメートル以下の微細加工が課題とされてきました。しかしEUV技術の導入により、これらの最新GPUは4~5ナノメートルのプロセスノードが実現可能になりました。
この微細化により、より多くのトランジスタが搭載され、シェーダー性能やレイトレーシングといった高度なグラフィック処理機能も向上しています。
また、処理効率の向上に伴って消費電力も抑えられており、さらにエネルギー効率が改善されたこともゲーミングPCにおいて魅力的なポイントです。
EUV露光技術が採用されているグラボの代表例と価格
EUV露光技術が採用されているグラフィックボードの代表的な製品には、NVIDIAの「GeForce RTX 4090」やAMDの「Radeon RX 7900 XTX」などが挙げられます。
RTX 4090はNVIDIAの最新フラッグシップモデルであり、膨大なトランジスタ数とシェーダー数、さらには高性能なレイトレーシング能力を誇ります。
現在の日本市場における価格は約25万円から30万円前後であり、ハイエンドユーザー向けの高性能モデルです。
一方、AMDの「Radeon RX 7900 XTX」もEUV技術を使用して製造されており、優れた性能と省エネを両立したモデルとして注目されています。
RX 7900 XTXは、約14万円から18万円前後で販売されており、NVIDIA製品と比較してもコストパフォーマンスが高い点が魅力です。
このようなEUV技術を用いた最新グラフィックボードは、ゲーミングPCやプロフェッショナルな映像編集において、最高峰のパフォーマンスを提供します。
EUV露光技術でグラボはこれからも進化する
EUV露光技術は、現代のハイエンドグラフィックボードの性能を支える重要な技術であり、微細なプロセスでより多くのトランジスタをチップに組み込むことを可能にしました。
これにより、グラフィック性能の向上だけでなく、省エネ性能も高まっています。
特にGeForce RTX 4090やRadeon RX 7900 XTXといったEUV技術を採用したGPUは、ゲームや映像処理において圧倒的なパフォーマンスを発揮するため、ハイエンドPCを求めるユーザーにとって理想的な選択肢となっています。