「グラボ縦置き」は劣化が早いのか?

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巨大化し続けるグラボの熱処理やスペースの問題を解決するために、「縦置き」を試す人々がいます。

私の友人もいましたが、彼が言うには「劣化が早い気がする」とのこと。果たして、本当にグラボの縦置きは劣化が早いのでしょうか。

環境によっては劣化が早くなる可能性もある

結論から言うと、PCケース内の環境によっては劣化が早まる可能性もゼロではありません。

グラボの縦置きは、「ライザーケーブル(ライザーカード)」をマザーボードとグラボの間に挟み、方向を変えることで実現できます。

ただし、このライザーケーブル自体が破損や消耗で劣化していくと、当然のことながらグラボにも影響が出るわけです。

ライザーケーブルやライザーカードは、本来サーバー用途で使われていたパーツですが、サーバー用途でもライザー関係は故障頻度が高かったように思います。

また、通常のPCケース内に無理やり縦置きしたとしても、エアフローは横置きで想定されているため、どうしてもグラボ周辺が「窒息」になってしまいがちです。

グラボ縦置きの場合は、底面吸気→天井排気(もしくはその逆)が良いような気がしますが、これだとホコリを吸い込みやすいため、やはり劣化につながってしまうのかもしれないですね。

ちなみにライザーを高品質なものに変えると、ほとんど劣化がないことを確認しています。

これは私の体験でも、友人の体験でも同じでした。ただし、かなり高価なモデルを使用していたため、「このライザーケーブルを使うくらいなら、PCケースごと買い替えたほうが…」とも思いましたね。

90度回転式ブラケットで解決?

もし、冷却やスペース、自重による「たわみ」を防ぐ目的ならば「90度回転式ブラケット」を試してみてください。

一般的なグラボはマザーボードのスロットに直挿しするため、マザーボードに対して垂直になりますよね。

この90度回転式ブラケットを使用すると、マザーボードに対して並行にグラボを設置できるため、自重によるたわみや熱暴走のリスクが小さくなるのです。

一般的なPCケースの場合、大型のグラボは90度回転式ブラケットで劣化リスクが小さくなります。エアフローも改善することが多いですし、配置にも自由度が出ますからね。

これ以外の方法と言うと、PCケース自体を縦置き対応のものに変えるしかないでしょう。最近のモデルならば、アビーの新作「AS Enclosure RS07A」が良いかもしれません。

見た目もスタイリッシュでエアフローもそこそこ優秀ですし。角材を縦にしたようなフォルムは合理的に見えますし、縦方向の吸排気を前提としているので、ある程度はしっかり冷えそうです。

mini-ITX想定なので、省スペースですね。ちなみにCPUクーラーは高さ13~18センチ程度のものまでいけそうなので、それなりに選択肢がありそうです。

ただし、このケースかなりお高いようなので、お財布と要相談です。

グラボの劣化は設置方法とほとんど関係がない

ということで、ここまでの内容をまとめると

  • 縦置き、横置きで劣化の速度はほとんど変わらない
  • ただし窒息気味になったり、ライザーケーブルの劣化があったりと、他の要因が加わることで劣化が進む可能性もある
  • 90度回転式ブラケットを使用した「マザーボードと並行の設置」は検討の余地あり

といったところでしょうか。大型のグラボを普通に設置すると破損や劣化が気になるという方は、ぜひ試してみてください。