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ゲーミングPCはミドルレンジで最低15万円、ハイエンドとなれば30万円近い時代になりました。
個人的には価格相応の投資価値があると思いますが、気軽に買えるかと言われればちょっと疑問ですよね。
こうした状況の中、PCのサブスクサービスが注目されています。ただし、このサブスクもコスパが良いかと言われると微妙なのです。
富士通のPCサブスクが炎上した理由
富士通系列の企業である富士通クライアントコンピューティング(以下、FCCL)が、PCのサブスクを発表し、その内容がひど過ぎるとして炎上した事件をご存じでしょうか。
この件は、2022年3月にFCCLが「FMV Prime」というPCのサブスクを発表したことに端を発します。
サービス内容をざっくりまとめると、以下4つのプランがあったようです。
- オフィスなし3年プラン:月額4980円
- オフィスあり3年プラン:月額5480円
- オフィスなし5年プラン:月額3980円
- オフィスあり5年プラン:月額4480円
オフィスあり/なしの差はありますが、要はPC本体の使用料金を3年~5年の間、支払い続ける契約ですね。
これだけを見ると特に問題ないように見えるのですが、ネットでは「価格が異常に高すぎる」との声が相次いだようです。
それもそのはずで、このプランで使用されているPCは一括販売価格が9~11万円程度のもの。スペックは以下のとおりです。
・CPU:Celeron 6305(2コア2スレッド、1.8GHz動作、TDP15W)
・メモリ:4GB
ちなみにCeleron 6305は第11世代のTiger lakeに属するCPUですが、スペックを見てもわかるように最下位グレードです。
CPUとメモリがこのスペックでありながら、3年~5年の支払総額が26万円にも達するため、炎上したようですね。
確かにこれは高すぎるを通り越して意味がわからないレベルですが、そもそもこの件に限らずPCのサブスクはそれほど安くありません。
PCのサブスクは特殊な人向けのサービス
実はFCCLの前にも、PCのサブスクは存在していました。中小のPCベンダーや中古PCを扱うショップが、出張需要などに向けて短期(1週間~数か月)のPCレンタルを提供していたからです。
私も何度か利用したことがあるのですが、正直なところ購入に比べるとかなり割高です。1週間で2万円程度だったと記憶していますが、本体は決してハイスペックではありません。
普通にオフィスとブラウジングができればよい、といったイメージでしたね。なので、正直なところFCCLの件も異常だとは思いませんでした。
こうしたサブスクは、経費計上しやすいように価格が設定されることが多いため、どうしても一括購入より割高です。
FCCLの件は、3年~5年の定期契約がネックになったのだと思います。いわゆる単なる割賦販売であって、一括購入の倍以上の価格設定がまずかったのでしょう。
PCのサブスクがお得になるのはまだまだ先
最近は、NVIDIAとソフトバンク社のGeForce NOWやGoogleのStadiaなど、ゲーム自体のサブスクサービスがありますが、これらは事実上「ゲーミングPCのサブスク」とも言えます。
しかし、PC本体を手元におけるわけではないので、ゲーム用途に限定されるものでした。これからは、PC価格の高騰に伴って本体のサブスクサービスが増えていくのかもしれません。
個人的には、まだまだBTOパソコンのミドルレンジクラスを狙ったほうがお得だと思いますね。特に3年~5年というスパンならば、BTOのコスパモデルを凌駕することは至難の業のはず。
あと5年、10年経てば状況は変わるのかもしれませんが、改めてBTOメーカーの強さを思い知った次第です。