SSD高速化のカギを握るCXL接続とは

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現状、SSDはPCIe接続が最速で、旧来のSATA方式から徐々にNVMe SSDへの移行が進んでいます。

一方で、SSDをより高速化しようという動きも活発になっていることをご存じでしょうか。今回はSSDの新しい高速化技術「CXL接続」を紹介します。

CXL接続とは

CXL接続とは、ストレージの高速化を目的とした高速インターコネクト規格による接続です。

ちょっとわかりにくいのですが、PCIe接続のようにストレージやメモリを接続するときの規格だと考えてください。

CXLのベースにはPCIe接続があり、PCIe接続と互換性があります。また、両者は明確な区別が難しく、信号レベルでは違いがないものの、使用しているプロトコルが異なるようです。

CXLは、マザーボード外にあるメモリ(ファーメモリ)に大規模なメモリプールを確保し、マザーボード上に存在するメモリ(ニアメモリ)の容量を拡張するために開発されとのこと。

簡単いえばマザーボードに接続された外部ストレージをメインメモリと同様に使うための技術と言えるのかもしれません。

ちなみにファーメモリとニアメモリは、ともにサーバのメモリアドレス空間(メモリアドレスによってアクセスできるメモリ領域)にマッピングされ、CPUの「メモリ管理ユニット」の管理下に置かれるとのこと。

やはり同一のメモリとして一元管理されるようですね。

SamsungがCXL採用SSDを開発

すでにCXLは実用化の一歩手前まできており、SamsungがCXL採用SSDを開発しているようです。

プロトタイプである「MS-SSD」では、DRAMを16GB搭載してSSDのデータを大量にキャッシュし、高速な読み書きを実現するとのこと。

同時に、キオクシアでもCXL接続SSDを開発しており、IntelのOptaneよりも高速な読み書きを実現する可能性があるとしています。実際の速度はDRAMと同程度まで期待できるとのこと。

一般的にPC内のデータ読み書きはメインメモリ(DRAM)が最も速く、SSDはそれよりもだいぶ劣るのが通常でしたが、これが同一レベルになるとすればPC自体の動作も高速化されます。

CXL採用SSDがゲーミングPCにまで下りてくるのはいつか?

現在、CXLはサーバー向けのSSDで実用化が始まりそうですが、技術的に成熟すれば一般のPCにも採用される可能性があります。

SSDは正直なところ「壁」にぶつかっている状態で、SATAからNVMe SSDに変えてもそこまで速度の向上を体感できません。もちろん、数値上は数倍の読み書き速度になるのですが、ゲーミングPCの使い方ではいまひとつ効果が見えにくいのです。

一方、CXL接続ならばDRAMと同程度の読み書き速度をSSDで実現できるため、ゲーミングPCでも十分に速度向上が体感できるはずです。

個人的には、2025年あたりに一般向けPCに下りてきそうかな、と考えています。