AMDの新技術「AFMF」とは?DLSS対抗となるか?

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最近のGPUには、フレーム生成技術が搭載されています。GPUがフレームを生成することで、パフォーマンスと見た目の美しさを両立させることが可能です。

このフレーム生成技術のひとつに「AFMF」があります。このAFMF、実はAMDの将来を左右するかもしれない重要な技術なのです。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)とは?

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)は、2024年1月23日に正式版がリリースされた技術で、AMDのRadeon RX 6000シリーズおよびRX 7000シリーズのGPUで使用できます。

AFMFは冒頭でも述べたようにフレーム生成技術のひとつ。フレーム生成を利用して、ゲームのパフォーマンスを向上させることができます。

AFMFの大きな利点は、DirectX 11およびDirectX 12のゲームであれば、どのゲームでも適用可能であることです。(ただし、DirectX 11/12以外のゲームには対応していません。)

AFMFは、ゲーム側の映像処理が終わった後に追加フレームを挿入することでフレームレートを向上させます。一方で、フレーム生成作業自体が遅延を引き起こす可能性もあるわけです。

そのため、AFMFを有効にすると、遅延を最小限に抑えるために「Radeon Anti-Lag」も同時に有効になります。しかし、遅延が特に問題となるeスポーツ系のゲームとの相性は良くないと言われてきました。

AFMFを利用するためには特別なゲーム側の対応は必要ありませんが、その反面、フレームの再現性についてはFSRやDLSSに比べると若干劣ると言われています。

ただし、AFMFは特定のゲームでは大幅なパフォーマンス向上をもたらす可能性があるため、ゲームタイトルによっては非常に有効です。

AFMFとDLSSの違いは?

では、類似の技術であるNVIDIAのDLSSとの違いを見ていきましょう。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)とDLSS(Deep Learning Super Sampling)は、いずれもゲームのグラフィックス品質とパフォーマンスを向上させるための技術です。

しかし、2者の間には大きな違いがあります。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)

技術の原理:AFMFは、既存のフレームから新しいフレームを生成してフレームレートを向上させる技術です。ゲームの映像が完了した後に追加フレームを挿入します。

対象ゲーム:DirectX 11またはDirectX 12を使用するゲームに対応しており、特定のゲームに対する対応やパッチは必要ありません。

利点と欠点:AFMFは、適用が簡単で幅広いゲームに利用できる点がメリット。一方で、生成されたフレームによっては微妙な遅延が発生する可能性があり、競技性が高いFPSなどでは不利とされています。

DLSS(Deep Learning Super Sampling)

技術の原理:DLSSは、ディープラーニングとAIを利用して、低解像度から高解像度の画像を生成し、グラフィックスの品質を向上させつつパフォーマンスを保持する技術です。高解像度でのゲームプレイがよりスムーズになります。

対象ゲーム:DLSSはNVIDIAのRTXシリーズでのみ利用可能で、ゲーム側もDLSSに対応している必要があります。したがって、対応ゲームは限定されています。

利点と欠点:DLSSの最大の利点は、高品質なグラフィックスとパフォーマンスを両立できる点です。欠点としては、NVIDIAのRTXシリーズのGPUに限定され、ゲームがDLSSをサポートしている必要があることが挙げられます。

汎用性はAFMFのほうが高いが…

このようにAFMFとDLSSは、同じフレーム生成技術であっても技術的な原理や使い勝手が異なります。

原理から言えば後からフレームを挿入し、タイトルを限定しないAFMFのほうが汎用性は高そうですね。一方で、タイトル側が対応していれば高速に動作するDLSSのほうが、実際の使い勝手では上かもしれません。

個人的にはAFMFを使えるRX7000番台で、どれだけRTXシリーズに肉薄できるかがポイントだと思います。

ちなみに、こちらの記事では、AFMFを有効にするとRTX4060をしのぐフレームレートを実現できるようです。

グラボといえばNVIDIAという方が多いと思いまうが、AMDのRXシリーズもようやくRTXシリーズと対等に戦えるところまで来たと思います。コスパが高いので、今後のアップグレードパスに加えてみてはいかがでしょうか。