「CPUグリス塗りなおし」の効果がどこまであるかを実例で紹介

※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

「年に一度は塗りなおした方がいい」と言われるCPUのグリス。そのグリスを「丸4年」もの間、放置していたので、先日塗りなおしてみました。

「グリスでCPUの温度がかなり変わる」「定期的に塗りなおさないと故障する」などといった情報があります。これは果たして本当なのかを検証する意味でも、「CPUグリスの塗りなおし」についてレポートしてみたいと思います。

グリス塗り前後の温度変化

結論から言うと、「4年放置してグリスが乾ききった(一部剥げている)状態から塗りなおすと、それなりに効果がある」という結果になりました。

実際に、私のサブPCの実際のCPU温度(Core i5 6500、OCなし)を紹介します。なお、温度情報はフリーツール「HWMoniter」で取得しました。

また、室温は大体「26℃前後」で、軽い3Dゲームとブラウジング、youtubeでの動画再生を併用した環境です。

CPUグリス塗りなおし前

Core 最低温度 最高温度 平均温度
Core0 45度 63度 53度前後
Core1 47度 63度 53度前後
Core2 48度 62度 52度前後
Core3 46度 61度 52度前後

CPUグリス塗りなおし後

Core 最低温度 最高温度 平均温度
Core0 35度 67度 48度前後
Core1 36度 67度 48度前後
Core2 35度 65度 46度前後
Core3 33度 64度 45度前後

このように、最高温度は逆に上がってしまったのがよくわかりませんが、最低温度はしっかりと更新されています。また、結果的に平均温度が4~5度程度低下し、確かに効果はあることが実感できました。

ちなみに、使ったグリスは一般的なシリコングリスで、400円程度のもの。さすがに4年放置した状態であれば、400円程度の安物でも効果が見込めるわけですね。

シルバー入りや高純度金属入りのグリスであれば、もっと効果があったのかもしれません。しかし、サブPCですから「普通に安全に動く」程度で充分でしたので、あえてリーズナブルなグリスにしてみました。

CPUグリスは「パリパリ状態」でも問題なし?

4年放置した状態でしたので、すでにCPUグリスも「無いに等しい状態」であり、CPUのヒートスプレッダ面積の5割くらいしか覆われていませんでした。

また、完全に乾ききっているためにクーラーとの接着状態も実にあっさりしたもので、取り外し時のひっかかりは全くありません。

まさに、「ただ乗っかっているだけ」の状態だったわけです。CPU使用率はゲーム&動画視聴時に60%に達するくらいですが、温度は60度台中盤。

グリスが無かったので下限は高めでしたが、上限はあまり変わらないという点が興味深いですね。

一般的にCPUは、80度台でレッドゾーンであると考えられるため、60度台中盤ならばまだまだ安全領域。最近のCPUは低発熱ですので、2015年発売のCPUであっても、グリスをそれほど気にかける必要はないのかもしれません。

しかし、アイドル時がしっかり冷えるあたりは、グリスの力なのでしょう。ということで、「最高温度は変わらないが、平均温度を若干下げる」という意味では効果があるといえるでしょう。

また、個人的な経験からいえば、不自然かつ急激なCPU温度の上昇は「CPUクーラーとの接触がうまくいっていない」ケースが多いように思います。

クーラーの重みで隙間が空いていたり、そもそもパーツの相性の問題で圧着が不十分だったりといったケースですね。こういう場合は、あっという間に80度以上に達することがあります。

しかし、こうした例外的なケースを除けば、CPUグリスの塗り直しについて、あまり神経質にならなくても良いのかもしれないですね。1~2年に一度、簡単にさっと塗りなおすだけで問題ないでしょう。