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HDMIケーブルには「フェライトコア」と呼ばれる突起物が巻き付けられていることがあります。
このフェライトコア、何のために付いているのかご存じでしょうか。今回はフェライトコアの役割と効果について解説します。
フェライトコアとは何か?
フェライトコアは、簡単に言えば「ノイズ」を抑止して通信をスムーズにしてくれる部品です。
一般的に、強い磁性を示す金属酸化物は電気的な「絶縁性」を持ちます。つまり、電気を通さない性質を持つわけですね。この特性を利用し、ノイズの原因である高周波電流をブロックすることが可能です。
例えば、ノイズのもとになる電流が流れるケーブルにフェライトコアを巻きつけると、ノイズ電流の伝播が抑えられます。
PCだけではなく、一般的な家電や車にも使用されている汎用性の高い部品ですね。ちなみにカーオーディオでも、フェライトコアを巻き付けると音が良くなるとして頻繁に使われています。
HDMIにフェライトコアをつける理由
HDMIケーブルは、PCからモニターに音や映像を送信するため、これらにノイズが乗ってしまうことを回避するための部品としてフェライトコアが使われています。
一般的な説明書きでは「映像ノイズを取り除き、チラつきを抑える」という内容が多いのではないでしょうか。
しかし、実際にHDMIケーブルに取り付けられているフェライトコアは「デファレンシャルモード」と呼ばれるモードで動いています。
デファレンシャルモードでは、磁力同士が相互に打ち消しあうため、実はノイズの吸収にあまり意味がありません。
また、HDMIケーブルに流れる信号はフェライトコアの周波数特性ではカバーしきれない領域であり、本当に映像信号に対して効果があるのか、という疑問もあります。
ではなぜHDMIケーブルをつけるの?
一説によれば、フェライトコアは「EMC試験」と呼ばれる電子機器に対する試験を突破するための対策であると言われています。
EMC試験とは「電磁波によって電気を使う機器が誤作動しないかをチェックする試験」です。別名「ノイズ試験」とも呼ばれます。
電子機器から電磁エネルギーが漏れていると、周囲の機器に悪影響を及ぼし、重大なシステム障害につながりかねないため、こうした試験を突破する必要があるのです。
HDMIケーブルの場合は、ケーブル自体がアンテナとして作用することを防ぐために、フェライトコアを巻き付けてノイズの「放出」を防いでいるとの見方が強いですね。
ちなみに、大手メーカーや有名メーカーのHDMIケーブルの場合は、ノイズ抑制効果が高い傾向にあるようです。また、一般の店舗で購入できる後付けよりも純正品(最初からついているもの)のほうがしっかりと設計されているとのこと。
フェライトコアが付いていないとどうなる?
フェライトコアがついていなくても、実使用上はほとんど問題ありません。また、HDMIケーブル自体が4層シールド構造などでノイズ対策をしていれば、フェライトコアは実質不要なこともあります。
無くなったり取ってしまったりしても、ゲームプレイにはまず影響が出ないでしょう。しかし、周辺の機器に対する影響を考えるならば装着しておいたほうが無難です。
特にオーディオ関連はノイズに敏感ですからね。無くても困らないがあるに越したことはない、という程度の認識で良いと思います。