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2023年1月10日、Ryzenの新モデルが発売になりました。すでにハイエンド帯の末尾「X」シリーズは登場していましたが、今回発売となったのは65W版の普及価格帯です。
つまり、最も使いやすく売れやすい価格帯。この65W版Ryzen、なかなか優秀そうなのでひととおり紹介しますね。
65W版Rynzenシリーズとは
65W版Ryzenシリーズとは、TDPが65Wに調整された普及価格帯のRyzenですね。2023年2月時点では、以下のモデルが該当します。
・Ryzen 9 7900:12コア24スレッド、3.7~5.4GHz(約7万円)
・Ryzen 7 7700:8コア16スレッド、3.8~5.3GHz(約5.4万円)
・Ryzen 5 7500:6コア12スレッド、3.8~5.1GHz(約3.8万円)
これらはすべて5nm製造のZen4アーキテクチャが採用されたCPUです。DDR-5200メモリに対応しているほか、AMD謹製の純正CPUクーラー「Wraith Prism(Ryzen 5 7600のみWraith Stealth)」が付属しています。
ちなみにRyzen7000シリーズは、すべて内蔵GPUを搭載しており、Ryzenの代名詞であった内蔵GPUレス仕様は廃止になった模様。つまり、IntelのCoreシリーズとほぼ同等の使い勝手に進化したと言えますね。
TDP65W版Ryzenの特徴は?
TDP65W版Ryzenの特徴は、既存のX付きモデルからTDPと動作クロックを引き下げていることです。
X付きモデルは、軒並み4.5もしくは4.7GHz以上の動作クロック(上限はほぼ同一)でしたが、65W版では上記のように3.7と3.8GHzに引き下げられています。
また、TDPもRyzen 9 7900Xの170Wを筆頭にRyzen 7 7700XとにRyzen 6 7600Xが105Wとなっていましたが、65Wへと下がりましたね。
個人的にはTDPの引き下げ効果がとても大きいのではないかと思います。CPUは65Wモデルと100W超えのモデルでは、まったく使い勝手が異なるからです。
65Wであれば、純正のCPUクーラーや廉価版のCPUクーラーでまったく問題ありませんが、100Wを超えてくるとサードパーティーの大型クーラーや簡易水冷でなければしっかり冷却できません。
CPUクーラーが大きくなると対応可能なPCケースも限られてくるので、小型化が難しくなります。一方、65W版であれば小型化・静音化が非常にやりやすくなるわけですね。
基礎性能は同クラスのX付きモデルと同等でお買い得
さらに65W版Ryzenは、L2キャッシュやL3キャッシュ、物理コア数、スレッド数が同クラスのX付きRyzenとまったく同じです。
正直なところ、X付きと65W版で異なるのはベースクロックだけであり、その他は大きな違いがありません。にもっかわらず価格は1.5~2.5万円もやすいのでコスパは高いと言えるでしょう。
ちなみにベンチマークでの性能は、第13世代Core iシリーズの9割程度といったところ。ただし、ミドルレンジクラスのRyzen 5 7500になると、Core i5 13500よりも優秀なシーンがあるようです。
Core i5 13500の価格は3.6~4万円なので、約3.8万円のRyzen 5 7500と非常に良い勝負ですね。コア数とスレッド数はCore i5 13500が上ですが、総合的なパフォーマンスでは大差がないと考えられます。
第12世代以降のIntel製CPUが巻き返してきたことでやや不利になっていたRyzenですが、7000シリーズの65W版モデルならば、どちらを選んでも損はないように思います。
AMDは大幅な価格改定で値下げを行うことがあるので、やすくなる時を待つのも一興かもしれません。