ゲーミングノートの「薄型化」を促進するMax-Q Designとは

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近年、ゲーミングノートPCは徐々に薄型化が進んでいます。しかもこれらは、エントリークラスのGPUやCPU内蔵グラフィックを搭載したモデルではありません。

ミドルレンジ以上のGPUを搭載した、デスクトップに匹敵する性能をもったゲーミングノートです。本来、分厚くて大きいGPUを搭載するならば薄型化には限度があるはず。

なぜ今、ハイエンドゲーミングノートが薄くなっているのでしょうか。その原因は、新技術「Max-Q Design」にあります。

隠れた注目技術「Max-Q Design」とは?

Max-Q Designとは、2017年にnvidiaが公にした技術で、「分厚く大きなハイエンドGPUをいかに薄型ノートにおさめるか」を追求しています。

例えばGTX1080は、本体の厚みは3センチ以上になるのが当然で、薄型ノートには到底おさまりません。これを解消するために採用されたのが「Max-Q Design」で、厚みは3分の1でありながらパフォーマンスは最大3倍を実現する、というコンセプトを持っています。

nvidiaでは、電力・発熱・性能の3点が最も効率よく釣り合う点(ピーク効率)を割り出し、この状態を目指すことによって余計な発熱や電力を削減しているとのこと。

また、ピーク効率を維持するための放熱設計、電源回路を綿密に設計し、モデルごとに異なるチューニングを施すといった工夫も凝らしています。

ちなみに「Max-Q」は本来、宇宙開発事業で使われている用語で、「ロケットをうちあげるとき、その負荷が最大になる点」を示すのだそう。この考えをゲーミングPCに応用しているとのことですから、かなり本格的な効率化の技術であることがわかります。

GeForce GTX1050Ti搭載!持ち運びに適したおすすめゲーミングノートPC」で書いたように、重さを考えると性能が低いグラボのほうが持ち運びやすいのが現状です。

GTX1070搭載で厚さ2センチ・重量2キロ以下のモデルも

このMax-Qを採用しているゲーミングノートは、圧倒的に軽く、そして薄いのです。例えばツクモの「G-GEAR N1586J-710/T」は、CPUにCore i7-8750H、GPUにGTX 1070を採用していながら、厚さはわずは1.8センチ強。

さらに重量は1.98kgと、大人なら片手で持ち運べるサイズ感です。性能的には最新の3Dゲームも余裕でこなすだけに、このサイズは驚異的ですね。Max-Q Designは、将来的にゲーミングノートPCのスタンダードになっていくのではないでしょうか。

ハイエンドゲーミングPC=デスクトップはもう古い?

Max-Q Designが浸透していき、成熟していけば、もはやゲーミングPCがデスクトップである必要はなくなります。最近はCPUとGPUが一つの半導体に凝縮された「KBL-G」も登場していますし、「小さくて薄いこと=性能が低い」という常識は最早通用しないでしょう。

ただし、価格面がネックですね。まだまだ同じ性能のデスクトップに比べると高いのが実情です。Max-Q Designがもっと一般化し、価格面の問題が解消されれば、「持ち運べるゲーミングPC」が当たり前になる時代が来そうです。