Intelの新ブランド「Core ultra」と新アーキテクチャ「Meteor lake」とは

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あのIntelが、CPUに対し、過去数十年で最大級の変化を加えようとしています。長きにわたりIntelを支えた「Core」ブランドに新しいブランド「Core Ultra」が追加されるからです。

このCore UltraはIntel自身が「過去40年で最大のアーキテクチャ転換」と呼ぶほどのもの。今回はIntelの新ブランド「Core ultra」と新アーキテクチャ「Meteor lake」を紹介します。

Core Ultraとは?

Core Ultra は開発名「Meteor Lake」 として知られてきたプロセッサを含む、最新のブランドになるようです。

インテルが「過去40年間で最大のアーキテクチャ転換」と呼ぶように、大幅な再設計や新技術の導入、歴代最高の電力効率(省電力)、外部グラボ級の内蔵GPUなど規格外の性能を備えるとの情報が入っています。

また、、Wi-Fi7などの新規格にも対応するとのことで、2023~2024年にかけてCPU界隈の台風の目になりそうです。

Meteor Lakeの概要と特徴

では実際に、Core Ultra最初の製品になりそうな「Meteor Lake」の概要と特徴を見ていきましょう。

概要

Meteor Lakeは、CPUコアとキャッシュからなる「コンピュートタイル」、GPUからなる「グラフィックスタイル」、主要部分やメモリコントローラなどを集約した「SoCタイル」、PCI ExpressとThunderbolt 4コントローラからなる「IOタイル」の4つのダイを、「ベースタイル」と呼ばれるパッシブダイの上部に集積する形で構成されているとのこと。

コンピュートタイルはIntel初のEUV(極端紫外線)による「Intel4」というプロセスルールが使われているようですね。Intelのロードマップの中で2番目のノードに位置している技術です。

将来的にはIntel 3、PowerVia技術を採用したIntel 20A、Inte18Aなどが製造される予定とのこと。EUVについては数年前から噂がありましたが、ついに実現したかという感じです。

CPUコアの進化

Meteor Lakeのコンピュートタイルには、高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)の2種類のCPUコアが組み込まれています。この点は従来のCPUと同じですね。

Pコアは「Redwood Cove」に進化し、内部構造の見直しによりIPC(1クロックあたりに実行できる命令数)が向上しています。一方、Eコアは「Crestmont」に進化し、IPCが強化され、VNNI実行時の性能が向上し、AI性能も向上しています。ただし、AVX512には非対応でAVX256までの対応とのこと。

強化されたGPU

ゲーマーとして気になるのはここでしょうね。内蔵グラボの性能についてです。

グラフィックスタイルは、新しい世代のGPU「Xe-LPG」に強化されているようです。単体GPUとしてリリースされた「Arc」とアーキテクチャの大部分を共通化しており、演算器が増えたことで性能向上が図られています。

Xe-LPGではAIに特化した「XMX」と呼ばれる行列演算器が省略されているものの、引き続きXeSS(Xe Super Sampling)に対応しており、対応するタイトルでは低負荷で高い解像度表示でのプレイが可能です。

省電力管理

Meteor Lakeでは各タイルに電力管理のICである「PMIC」が搭載され、マイクロコントローラと連携して動作します。

この構造により、アイドル時にはコンピュートタイルをほとんどOFFにしてもSoCタイルのEコアだけでOSを動作させることが可能となり、従来のx86プロセッサに比べてアイドル時の消費電力が圧倒的に低減されます。

NPUの搭載

Meteor Lakeには新たにNeural Processing Unit(NPU)が搭載されています。従来は単体チップとして提供されてきたVPUをCPUに統合したもので、AI処理を専門に行なうプロセッサのようですね。

NPUの利用により、少ない電力で効率的なAI活用が可能となります。気になるのはレイトレやDLSSなどの動作に影響するのかどうかですが、この点は言及がありませんでした。

ノートPC向けとしてリリース、デスクトップは不明

具体的なSKUやCPUコアの数などに関する詳細な情報は12月14日の正式リリース時に発表される予定だそうです。

直近の発表ではノートPC製品向けに焦点が当てられ、デスクトップPC向けに関しては言及されていないので、もしかすると近いうちにデスクトップ向けの情報もでるのかもしれません。

内蔵グラボがかなり強くなりそうなので、AMDの内蔵グラボ「Radeon 680M」との力関係が気になるところ。もしRadeon 680Mを遥かにしのぐとなれば、2024年のCPU市場は荒れそうです。