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2020年2月に発売となったAMDの新CPU「Ryzen 5 3500」は、そのコスパから早くも話題になっています。
個人的には、「予算が10万円未満のPCゲーマーの救世主」といえるほどの製品かなと感じています。もし2020年中にゲーミングPCを購入するなら、Ryzen 5 3500搭載機を探すべきでしょう。
私も思わず1台買ってしまいそうなくらいですから。では具体的にどこが凄いのか、解説したいと思います。
圧倒的なコスパの良さ
Ryzen 5 3500は、Ryzen 5 3600の下位モデルです。まず両者のスペック差を見ていきましょう。(参考情報としてライバルのCore i5 9400Fも記載)
Ryzen 5 3500(約1.6万円)
- 6コア6スレッド
- 3.6GHz~4.1GHz動作
- L3キャッシュ16MB
- TDP 65W
- iGPU(内蔵GPU)は非搭載
Ryzen 5 3600(約2.5万円)
- 6コア12スレッド
- 3.6GHz~4.2GHz動作
- L3キャッシュ32MB
- TDP 65W
- iGPU(内蔵GPU)は非搭載
Core i5 9400F(約1.8万円)
- 6コア6スレッド
- 2.9GHz~4.2GHz動作
- L3キャッシュ9MB
- TDP65W
- iGPU(内蔵GPU)は非搭載
Ryzen 5 3500はRyzen 5 3600に搭載されているSMT(同時マルチスレッディング)が無効になっています。そのため、スレッド数は半分の6。
また、L3キャッシュも同じく半分です。ただし、動作クロックはほぼ同じですから、実際の使用感は大差ないのでは?予想できます。価格差は約1万円。Ryzen 5 3600の約65%の価格です。
さらに、IntelのライバルCPU「Core i5 9400F」と比較すると、価格・スペック両面でやや上です。
加えて、意外に見逃せないのが「PCIe4.0に対応」という点。この価格帯のCPUでPCIe4.0に正式対応しているのはRyzen 5 3500のみですから、その点でも貴重なCPUといえます。
最も、PCIe4.0を利用するためには廉価版チップセットであるB450シリーズ搭載マザーではなく、ハイエンド仕様なX570シリーズを使用する必要がありますが…。
では、具体的なベンチマークの結果を見ていきましょう。
Ryzen 5 3500のベンチマークから実際の性能を探る
ここでは、Ryzen 5 3500と3600(SMTオフ)、Core i5 9400Fを比較します。結果は以下のとおり。
PCMark10
Ryzen 5 3500 | 約5860 |
Ryzen 5 3600 | 約5960 |
Core i5 9400F | 約5550 |
FF14 漆黒のヴィランズ(フルHD、最高画質)
Ryzen 5 3500 | 約11900 |
Ryzen 5 3600 | 約12200 |
Core i5 9400F | 約11800 |
Fortnite(画質”高”、フルHD)
Ryzen 5 3500 | 平均118fps |
Ryzen 5 3600 | 平均123fps |
Core i5 9400F | 平均120fps |
ある意味、予想通りの結果となりました。結論から言うと、「Core i5 9400Fをしのぐ超々良コスパ」なCPUと言えます。
まず、大半のベンチマークソフトウェアで、Ryzen 5 3600との性能差が2~3%程度しかありません。また、戦略的なライバルCPUであるCore i5 9400Fとほぼ同等~数%上の性能を持っています。
1万円台中盤では驚異の性能
ここまでの内容から、
・性能面からみると「Ryzen 5 3600>Ryzen 5 3500≧Core i5 9400F」
・価格面からみると「Ryzen 5 3600>Core i5 9400F>Ryzen 5 3500」
という点は理解できたかと思います。価格はミドルレンジ最強の安さでありながら、性能もミドルレンジ上位のRyzen 5 3600に肉薄しています。
これまでRyzen 5 3600やCore i5 9400Fなど複数の「コスパ最強CPU」を見てきましたが、個人的にはRyzen 5 3500がベストバイだと思いますね。
低予算でメインのゲーミングPCを構築するための必須パーツといえるかもしれません。GPUが必須な点がネックですが、これは最近のミドルレンジCPUならどれも同じことですからね。