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2020年6月に市場投入されたAMDの戦略的ローエンドCPU「Ryzen 5 1600 AF」は、そのコストパフォーマンスの高さから自作PC界隈の注目を集めています。
1万円で入手可能なCPUでありながら、性能的には2世代前のハイエンドクラスと遜色がないという結果も出ているほどで、私も思わず購入してしまいそうなほどの魅力的なCPUです。
とはいえ、やはり「メインマシン」に載せるべきかは迷いますね。そこで、メインのゲーミングマシン用CPUとしてRyzen 5 1600 AFが適切かを考えてみたいと思います。
Ryzen 5 1600 AFのスペック
まず、Ryzen 5 1600 AFのスペックを簡単に整理しておきましょう。
Ryzen 5 1600 AF
アーキテクチャ | Zen+(1世代前) |
プロセスルール | 12nmプロセス |
コア数、スレッド数 | 6コア12スレッド |
動作クロック | 3.2~3.6Ghz |
対応メモリ | DDR4-2933(最新世代はDDR4-3200まで対応) |
PCIe対応状況(レーン数) | 3.0、24レーン(4.0は非対応) |
TDP | 65W |
このように1世代前のアーキテクチャを使用し、メモリやPCIeも前世代に準拠していることから、基本的には「過去作のリファイン版」とも言えるCPUです。
しかし、過去作とはいえ、6コア12スレッドで常時3GHzを超える動作のCPUが1万円ちょっとで入手できるのは破格ですよね。正直なところ、PCIeも4.0に移行するまでにはまだまだ時間が必要ですし、メモリもDDR4-2667で何ら問題ありません。
スペック上は少し古いものの、「実使用上は何ら問題がないCPU」がこのRyzen 5 1600 AFなんですね。しかもマルチコア性能限定であれば、Ryzen 3 3300Xをしのぎ、Ryzen 5 3500にも肉薄するという驚愕の結果が出ています。
ここまでくると、買わないほうがおかしいと言えるほどのCPUなのですが、デメリットもいくつかあることを忘れてはいけません。
Ryzen 5 1600 AFの少し残念な点
最も大きな弱点が「シングルスレッド性能の低さ」ですね。これは現状のローエンドそのまま、というイメージです。そのため、シングルスレッド性能が重視されるゲームでは、スペックほどのパフォーマンスが出ません。
次に、B550チップセットには搭載できない点もマイナスですね。B550は、AM4プラットフォームの最終世代として長く使えるチップセットだけに、搭載不可なのは少し痛いです。
さらに第3世代Ryzen(Zen2世代)で改善された「IPC向上」の恩恵も受けられないことで、実際のゲームでは思ったほどフレームレートが伸びないといった事象も考えられます。
実際のゲームプレイでは、IntelのCore i5 9400Fと同程度のパフォーマンスというイメージでしょうか。Ryzen 5 3600あたりに比べると、メインマシン用のCPUとしては若干物足りないかな?といった具合です。
価格重視ならば最有力候補
とはいえ、実売価格11000円の6コア12スレッドCPUなど現在もこれまでもありませんでしたから、価格重視のユーザーにとっては最高のCPUです。
すでに、「Ryzen 5 1600 AF+GTX1650」という組み合わせで7万円代からBTOパソコンが販売されているため、「とりあえず通常設定で快適にプレイできれば何でもよい」という方にとっては朗報ですね。
仮にRyzen 5やCore i7などでメインマシンを所持している場合でも、格安かつ良質なサブマシンとして重宝するでしょう。