PCゲーマーの中ならば、ほとんどPCの電源を落とさない方も少なくないでしょう。私もかつては、「サーバー運用とほぼ同じレベル」で、PCを連続起動していました。
最近のPCは電源を落とさない前提で設計が行われているため、24時間365日稼働でも何ら問題ありません。
しかし、やはりストレージ部分は耐久性の高いものを採用したいところ。そこで、高耐久HDDを検討してみてはいかがでしょうか。
高耐久HDDとは?
ストレージといえば、もはやSSDが主流ですが、HDDもまだまだ現役です。
特に安価で超大容量な高耐久HDDは、長時間稼働が前提となるPCのサブストレージとして活用できます。では、高耐久HDDとはどういったHDDなのでしょうか。
高耐久HDDの特徴
高耐久HDDとは「24時間365日稼働を前提として設計・製造されたHDD」です。一般的にはサーバー用やNAS用とされていますが、通常のPCにも問題なく使用できます。
高耐久なHDDを選ぶときには、次の3つのポイントに注目するのがおすすめです。
- MTBFやワークロード率など「信頼性」に関する「客観的かつ具体的な」数値が公表されている
- メーカー保証期間が3年以上ある
- 24時間365日稼働対応と「明記」されている
こういった条件を満たすのは、主にNAS用や監視カメラ用、エンタープライズ(企業用)モデルの3つです。しかし、最近ではゲーミングPCのパーツとしても採用されていることがあります。
ちなみにMTBFは「平均故障間隔」、ワークロード率は「HDDに転送されたデータ量」のことです。MTBFやワークロード率の数字が大きいほど、信頼性が高いと考えて問題ありません。
ヘリウム採用モデルを狙え
上記のような特徴に加え「ヘリウム」を採用しているモデルならば、さらなる高耐久が期待できます。
ヘリウム充填HDDは、気の約1/7の密度しかないヘリウムをHDD内に充填させつつ、プラッタやヘッド部分を密閉することで、空気中のガスや湿気の影響を受けずにHDDを稼働させる仕組みです。
ヘリウム自体が高価なので、必然的にHDDも高値になるのですが、それでも大容量化・低価格化が進んだ今なら、決して手の届かない価格ではありません。
例えば、Western Digitalの「WD Purple」は10TBで約33000円。4TBのSSDが約6~7万円であることを考えれば、格安です。
ヘリウム充填HDDの耐久性はSSDにも見劣りしないため、超高寿命で信頼性の高いストレージが安く設置できることになります。
HDDとSSDは「用途」によって変える
一般的にSSDはHDDの上位互換と考えられがちです。確かに読み書きの速度だけで言えばその通りです。
しかし、「データの保存」という簡単で言えば、それぞれ異なった特性があることからHDDはSSDの下位互換と考えるのは早計かもしれません。
ヘリウム充填の高耐久HDDを動画や写真といったデータ格納庫として使用し、アプリケーションやゲームクライアントの読み書きはSSDが担当する、という使い方は今後も続くはずです。
したがって、高速なSSDと高耐久なHDDの組合せは、鉄板中の鉄板ともいえます。何かと話題になりがちなSSDだけではなく、安く大量に・安全にデータを保管できる高耐久HDDへも目を向けてみてはいかがでしょうか。