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ゲーミングPCやBTOパソコン、自作PCなどに慣れてくると、必ずと言って良いほど「マザーボード」の質を気にするようになります。
さらに、マザーボードのグレードや製品紹介の中に「電解コンデンサ」という言葉が必ず出てくることに気が付くでしょう。
「日本製の105℃コンデンサ使用!」といった文言、みかけたことがありませんか?一体、電解コンデンサは何をしているのでしょうか。
電解コンデンサがやっていること
まず、コンデンサと言っても様々な種類があり、大きく4つに分類できます。
- 電解コンデンサ
- フィルムコンデンサ
- セラミックコンデンサ
- スーパーキャパシタ
それぞれの特徴は、電子部品の専門知識領域になりますので省略し、主にPC用マザーボードで使用される「電解コンデンサ」について解説します。
電解コンデンサとは主に「電源回路の平滑化、ノイズ除去、バックアップ」などを担当している部品です。
分かりやすい例でいえば「ダム」が適当かもしれません。ダムは水源の確保と言う役割のほかに、「治水」としての意味もあります。つまり、河川の水量を常に一定に保ち、豪雨のよる氾濫や水害を防いでいるのです。
大きな水の流れの中に、一時的な「溜まり場」をつくることで、それ以降の水量を調整しやすくなるわけですね。雨の量が多い日はダムの水量が増え、少ない日は減る。
しかし、ダムが流す水量は常に一定範囲に留まるため、ダム以降の水量は安定し、氾濫や水害が起きにくくなります。この治水機能は、ダムの容量や質が良いほど高まります。
電解コンデンサは、ダムと同じように、増減のある電気の流れを適度にせき止めて、次の回路にわたす電気の量を一定に保つわけです。
また、電気の流れに混ざる細かなノイズも除去し、マザーボード上の電気の流れを安定させ、スムーズに流れるようにサポートしています。
一般的な家庭用の100Vコンセントから供給される電力は、常に±5%程度の波があります。完全に一定ではないのですね。
こうした波は、簡素な電化製品にとっては大した影響を及ぼしませんが、PC用パーツのように微弱な電気を頻繁にやりとりするような環境では、無視できません。
そこで、コンデンサを複数配置し、回路全体の電力・電圧をできるだけ一定にするわけです。この中で、電気を貯めたり、ノイズを除去したりといった動きが行われます。
実は、これだけではコンデンサの説明としては不正確なのですが……。コンデンサは実に多様な役割を担うため、その動きを素人にもわかるように説明するのはほぼ不可能なのです。
ただし、PC用マザーボードという用途でいえば、ダムのようなもの、と考えておけば問題ないと思います。
電解コンデンサの質が良い場合のメリット
電解コンデンサの質が良いと、マザーボードや電源が故障しにくくなります。つまり、耐久性が上がるわけですね。
特にゲーミングPCのようにCPUやGPUに高性能なパーツを使用している環境では、ゲームプレイ時とそれ以外の時の電力消費量が大きく変化します。
つまり、電力・電圧が頻繁に変わるため、コンデンサにも負荷がかかりやすい環境なのです。こうしたハードな環境に対応するため、電解コンデンサにも一定以上の質・耐久性が求められます。
一般的に電解コンデンサの質は、耐久温度で語られることが多いでしょう。「85℃」よりも「105℃」のほうが高品質です。
また、電解コンデンサは用途によって「1次コンデンサ」「2次コンデンサ」などに分類されますが、2次コンデンサは1次コンデンサに比べて、負荷が高くなりがちです。
したがって、2次コンデンサは「日本製の105℃コンデンサ」や「固体コンデンサ」を採用するメーカーが数多くあります。
最近のマザーボードはどの製品もコンデンサの質が高めですが、もし価格や機能以外の部分で迷ったら、電解コンデンサに注目してみてください。