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2018年ころからAMDの「Ryzen」が大躍進を遂げたことで、IntelとAMDのパワーバランスが崩れ始めました。
かつては「コスパのAMD」「絶対性能のIntel」だったわけですが、2020年時点ではそうも言い切れない状況です。
Ryzenに隠れてはいるものの、Intelのミドルレンジクラスが非常に優秀なコスパとなっているからです。
いまいちパッとしないIntel第10世代CPU、しかしコスパは…
着々とプロセスルールの微細化を進め、新規開発でもたつくIntelを追い抜いた感があるAMD。
しかし、AMD製CPUは品薄の状況も手伝って徐々に価格が上がっており、実はコスパで見るとIntelよりも割高になってしまっています。
これはあらゆるベンチマークでRyzenがcomet lake(第10世代)を上回っていることが大きいでしょう。特にマルチコアにおけるRyzenの強さは注目に値しますからね。
一方、IntelはベンチマークではAMDの後塵を拝すものの、ミドルレンジクラスであるCore i5を中心にコスパの良いCPUが増えました。
直近2世代だけを見ても、
Core i5 9400F(6C6T) | 約16000円 |
Core i5 9400(6C6T、iGPUあり) | 約18000円 |
Core i5 10400F(6C12T) | 約18300円 |
Core i5 10400(6C12T、iGPUあり) | 約20500円 |
という具合に大体2万円で購入できてしまいます。Core i5 10400Fに至っては、6コア12スレッドで18000円ちょっとですから安いなんてものじゃないですね。
「コスパのIntel」「性能のAMD」の時代
ちなみに6コア12スレッドの10400Fクラスになると、ブラウジングや動画視聴、オフィス系ソフトだけならばCPU使用率は10%未満で済みます。
重量級の3Dゲームをプレイするか、動画編集をゴリゴリにこなすかといった用途でなければ、性能不足を感じることはまずありません。
GPUもRTX2060クラスまでいけますしね。常時4GHz以上で動作可能なので、思った以上にパワーがあるCPUです。
さらに低発熱・低消費電力ですから、ヘビーゲーマーや動画クリエイター以外ならほぼすべての人におすすめできるコスパ最強CPUとなっています。
一方のRyzenは確かにマルチコアは強いものの、高価格・高性能路線に舵を切ったようなので、「人を選ぶ」かなと。
Zen3世代のRyzen5000シリーズが早くも話題になっていますが、ミドルレンジクラスの「Ryzen5600X」でも価格は約44000円。
Core i5 10400の2倍の値段です。しかしその性能と発熱はRyzen3000シリーズをはるかに上回り、高性能CPUの代名詞となっています。
Zen3世代のRyzenは、もはやハイエンド専用ともいえるCPUかもしれませんね。予算を抑えてコスパ重視ならば、IntelのCore i5が無難です。
これからは6コア12スレッドのレンジに注目
ゲーム用途でもそれ以外でも、一般ユーザーならば6コア12スレッド以上は体感的なメリットが薄れると思います。
言い換えれば、このクラスのCPUに絞ってコスパを追求することで、良い製品に出会える確率が上がるということ。
AMDのあとをIntelが追う展開がしばらく続きそうですが、コスパならIntel、ハイエンドならAMDという視点でCPUを選んでみてはいかがでしょうか。