最近ゲーミングPCに興味を持った人にはあまり知られていませんが、AMDとGeforceにはそれぞれ得意な色があります。
要は、同じ内容を映しても、色の出方が違うのです。そこで、両者の色味の違いについて解説したいと思います。
AMDは赤、Geforceは青が得意
もはや両者の伝統とも言えるレベルで異なるのが、赤と青の発色です。AMD側は赤系の発色が、Geforce側は青系の発色が得意で、それぞれ得意な色を含むオブジェクトは綺麗に見えます。
どちらが良いかは個人の好みによるのですが、パッと身で色鮮やかなのはやはりAMD側かもしれません。女性キャラクターの服の色や鮮血など、派手さや過激さを伴う描画は、AMD側が有利になるように感じますね。
一方、影の描写や水面の描写はGeforce側が得意です。そのため、「例えば赤い水着を着ている女性キャラクターが海辺に立っている」ような場面を映すと
- AMD側のほうが水着の色がきれいに見える
- Geforce側のほうが水面はきれいに見える
- 影の表現が得意なため、Geforce側の水面のほうがリアル
- ただし、Geforce側は全体的に色が淡い、AMD側は濃色がはっきり出る
- 昼の風景はGeoforce側、夜の風景はAMD側がくっきりと見える
といった違いになって現れます。これは10年以上前から言われていることで、今も変わらないようです。
10年前と異なる点も
長らくGeforce製のGPUしか購入していなかったのですが、最近久しぶりにAMDのGPUに触れる機会がありました。2つのGPUを使用してみて感じたことですが、10年前に比べると発色の差がかなり小さくなっています。
AMDは赤、Geforceは青といった違いも、正直なところシーンやゲームの種類によるため、個人の感覚では逆の評価になるかもしれません。
また、「ゆらぎ」の描画(煙や霧の表現、水面など)は絶対的な性能にまさるGeforceが強いとされてきましたが、この点も現在は大差が無いように見えます。
少なくとも同じグレードに属する製品ならば、よほど重い描画でない限り差は出ないと考えて良いでしょう。AMDかGeoforceかよりも、グレードの違いのほうが大きいですね。
グラボ選びはまず「自分の好み」を把握することから始めよう
このようにAMDとGeforceの間には、今もしっかりと「得意な色」の違いがあります。「鮮やかさはAMD」「渋さと動き重視ならGeforce」など、自分が何を重視するかで正解は変わってくるでしょう。
個人的には、絵を描いたり、Webサイトのデザインしたりといった「ゲーム以外の用途」も考慮するならば、AMDも悪くない選択肢だと思いますね。
確かに普及価格帯ではGeforceの絶対的な性能に押され気味ですが、オールマイティに何でも使えて常に鮮やかに見えるのは、数字以上の価値がありますから。
まずは、どういった発色が好みでどういう用途に使うのかを明確にして、GPUを選んでみてください。