USBの形状が複数あるのはなぜ?

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USBはPCで最もよく使われるインターフェースですが、種類が多すぎることが難点です。メジャーなところだけでも、USB A・B・Cとすでに3種類もあります。いずれも用途や機能に大差はないにも関わらずです。

なぜここまで増えてしまっているのでしょうか。

世代交代で形状が変化

USBの形状が増えた原因は、大きく二つあります。ひとつは「世代交代」、もうひとつは「小型化とモバイル対応」です。

まず世代交代について見ていきましょう。USBはすでに20年以上の歴史を誇る「伝統的な」インターフェースです。

最初の規格「USB1.0」が策定されたのは1996年のこと。しかしUSB1.0が普及する前に1.1(1998年策定)が勢力を拡大したため、実際使われているのはUSB1.1が多かったのです。

このUSB1.1時代にできた端子が「USB タイプA」でした。いわゆる平たい長方形の形をした最も大きな端子ですね。現在でも使用されています。

次にタイプB(正方形に近い六角形の形をした端子)が使われるようになり、主にプリンターやスキャナーといった外部機器との接続で重宝されました。

さらに2000年になるとUSB2.0が発表され、それまでのUSB1.1と互換性を持ちつつ、高速通信を実現できるよう時代へと突入。ここからしばらくは従来の「USB タイプA」や「USB タイプB」の形状が使われていました。

ただし、より高速な通信を行うため「USB タイプA SS(スーパースピード)」「USB タイプB SS」のように、端子の金属部分が2段構成になっている端子も登場したわけです。

さらに時代は進み、2008年USB3.0が策定され、3.1、3.2と進化していきます。これに追従するように2015年には「USBタイプC」が登場しました。

現在はUSB3.1+タイプCといったスペックのUSB接続口をもつデバイスが多いですよね。新しいスマホはほぼこれですから。

また、タイプA・Bには、小型版である「ミニA、ミニB」「マイクロA、マイクロB」もあります。

ということで、世代が進むにつれてUSB端子の形状はどんどん増え、2021年時点ではTypeA、TypeB、TypeC、MiniA、MiniB、MicroA、MicroB、MicroBの8つが存在しています。

マルチデバイス・モバイル対応

USBの形状が増えた原因の2つ目は、マルチデバイス・モバイル対応です。現在よく使われているUSB端子の形状ごとにデバイスの種類を見ていくと、次のようになります。

TypeA

PC本体側や車載のUSBなど

TypeB

プリンタやスキャナなど、PC周辺機器側に接続

TypeC

スマートフォンなど2010年代中盤以降に発売されたデジタルデバイス全て

MiniB

最近はあまり採用されていないが、デジタルカメラで頻繁に使われていた

MicroB

Andoroidスマートフォン、タブレットの一部

基本的に「昔からあるデバイスほど端子の形状が大きい」「電力供給側の端子はTypeAが多い」と考えれば良いでしょう。

ここ3年程度はTypeCが一気に普及したため、普段の生活では「TypeA」「TypeC」「MicroB」くらいしか見かけなくなりましたね。よって、この3つを使えるようにしておけば、困ることはないかもしれません。