Intelの14nmはいつまで続くのか?AMDとの差は縮まる?

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CPUの性能を推測する指標のひとつにプロセスルール(製造プロセス)があります。

この数字が小さいCPUほど、高性能・省電力であると考えられてきました。実際、そのとおりの結果になっていると言って良いでしょう。

しかし、Intelがプロセスルールの微細化において「足踏み状態」にあります。AMDに追い抜かれつつある今、Intelが次のステップに行くのはいつなのかを考えてみたいと思います。

14nm⇒10nmで苦しんだIntel

Intelは長らく14nmプロセスでのCPU設計・製造を行っており、いつの間にかAMDの後ろを追いかけるような形になりました。

2017年以降は特にそれが顕著で、2019年から10nmプロセスの製造に入ったとはいえ、かつてのIntelのような先進性は失われてしまったかのように見えました。

Intelが過去に発表したロードマップ(製品リリースの計画表のようなもの)では、2020年にはとっくに10nmプロセスを切っている予定でしたから、計画上は大幅に遅れています。

2021年時点で「現役」となる第10世代・第11世代Coreシリーズは、ともに14nmプロセスのCPUですよね。つまり未だにIntelの主力製品は、「ロードマップ比で2世代前」のものなのです。

ではなぜ、遅れが生じているのでしょうか。理由は明確になっていませんが、有力な説として「配線の幅を小さくするために配線素材を変更したが、素材の製造がうまくいっていない」というものがあります。

CPUは限られたダイの上に多くの回路を載せるため、配線の幅をいかに小さく(狭く)するかが重要なポイントです。この配線の幅がいわゆる製造プロセスなのですが、Intelは10nmに移行するにあたり配線の素材を変更する挑戦を行いました。

しかし、この新素材の製造がうまくいかず、14nmから抜け出すことができなかったとのこと。

実際にはIntelは遅れていない?

ちなみに現在10nmプロセスを製造するIntelですが、実際にはAMD(7nm)に後れを取っているわけではないという情報もあります。

プロセスルールは環境によって基準が変わるため、Intelの10nm=AMDの7nm相当になり、ほとんど同等のプロセスルールで製造されている可能性があるとのこと。

かなり専門的な話になるので正解を見つけ出すのは難しいのですが、実際のCPUの性能を見てもIntelとAMDには「1世代以上のプロセスルールの差」があるようには見えません。

確かにゲーミング性能で見るとRyzenが上回っていますが、これもマルチコア・マルチスレッド環境に限定した場合のこと。シングルコア・シングルスレッドレベルで見るとIntelはまだまだ強いのです。

AMDはCPUから内蔵GPUを撤去し、空いたスペースを活用してコアを増やしつつ、徐々に性能を向上させてきました。

この試みは大当たりで、メニーコア時代の王者としてRyzenが君臨していることは、みなさんご存じのとおりですね。しかし、あくまでも「コアの数の差」であって、「技術力の差」ではないのです。

10nm・7nmプロセス付近の壁はどこでも同じ?

半導体は長い間「ムーアの法則」に従って発展してきたと考えられていますが、この発展が足踏み状態に入っているのでは?という疑念があります。

これは2016年ころからよく目にするようになった話題で、AMDもIntelも技術的な壁にぶつかっているのは同じ、という可能性が否定できません。

また、Intelは第12世代Coreシリーズから本格的に10nmプロセスに移行しますから、AMDとの差もほとんどない状態に持っていけるかもしれません。