実はかなり希少?国産PCケースを調査してみた

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PCパーツはほとんどが海外製です。しかし国産のパーツも存在します。それは「ケース」です。ただし、PCケースも最近はほとんど海外製でめったに国産モデルを見かけません。

そこで、PCケースの国産メーカーと代表的なモデルの特徴をまとめてみました。

国産高級ケースの雄「汐見板金」

汐見板金は1971年創業の板金加工を専門とする企業です。いわゆる「町工場」なのですが、その技術力は確かで、自社独自の製品を開発しています。

そのひとつがPCケース「AX2」です。価格は5万円弱と非常に高額ですが、フルアルミ製で抜群の造りの良さが強みですね。

私はAX2を友人から見せてもらったことがあるのですが、アルミなのに重厚感と安心感があり、それでいてどこかポップさもあるという独特なケースでした。

板金加工業が本業だけあって、加工精度は非常に高く、私が少し使ったときはビビリ音なども発生しませんでした。外見はちょっと古風なのですが、実用性と信頼性を重視するならば国産ナンバー1のケースと言えるかもしれません。

知る人ぞ知る国産PCパーツの老舗「長尾製作所」

こちらも1971年創業の板金加工を専門とする企業です。PC用の小型金属パーツや、産業用のワッシャーなどを製造しています。長尾製作所といえば、最近は「M.2 SSD用のヒートシンク」が有名かもしれませんね。

加工精度が高く、よく冷えることで一定のファンを獲得しています。この長尾製作所は、通常のPCケースではなく「フレームケース」を製造していることが特徴です。

フレームケースとは、いわゆる中身がむき出しの「まな板(ベンチテスト用の組付け台)」と呼ばれるようなタイプのケースのこと。

オーバークロックや仮組みなどで使用しやすいようにパーツがむき出しで、すべてのパーツにすぐアクセスできるようになっています。

ただし、長尾製作所のPCフレームケースは、一般的なPCケースとしても使えるように縦置きが可能なタイプです。一風変わったPCケース兼パーツ検証用の環境として一台欲しくなりますね。

「アビー」を受け継ぐ「コンピューケースジャパン」

ベテランの自作PCファンならば、「星野金属」というPCケースメーカーを知っているかと思います。

星野金属の高級PCケースは自作PCファンの憧れでした。その星野金属が倒産し、メンバーの一部が立ちあげたのが「アビー」です。

アビーのケースも品質が高く使いやすい国産モデルとして人気でしたが、こちらも残念ながら2018年で事業を終了させてしまいます。

そのアビーの事業をひきついだのが「コンピューケースジャパン」です。

国産モデルの「AS Enclosure」シリーズは密閉性が高く、コンパクトで高品質なケースとして名を馳せています。AS EnclosureはアビーのハイエンドPCケースでしたが、現在はコンピューケースジャパン社の公式サイトに記載されています。

しかしこちらは新規に流通しているのかどうか定かではありませんね。中古市場では今も出回っているようですが…。個人的に、ぜひ新品を確保しておきたいケースです。

高品質だが高価格!な国産PCケース

2021年現在、日本企業製のPCケースは非常に選択肢が少なく、簡単には手に入らない状態です。コスパや入手性だけを見れば海外メーカー製のケースに軍配が上がることは間違いありません。

しかし、国産のPCケースはいずれも長持ちしますし、造りの良さは素晴らしいものばかり。PCケースにこだわりがあるならば、希少な国産ケースも検討してみてはいかがでしょうか。